新たなアドバイザー認定制度と金融リテラシー向上を巡る議論

投資助言業の登録要件緩和と金融経済教育の推進機構の新設へ

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サマリー

◆2022年12月9日、金融審議会市場制度ワーキング・グループの下に設置された顧客本位タスクフォースの中間報告が公表された。盛り込まれた提言のうち、本稿では、相互に関連の深い「中立性を有するアドバイザー」と「金融リテラシーの向上」について、提言された内容や今後の注目点などについて整理する。

◆中立性を有するアドバイザーに関しては、①金融商品を販売する金融事業を兼業していないことや、②顧客からのみ報酬を得ていること、といった基準を満たすアドバイザーを認定し、リスト化することで、一定の中立性を有するアドバイザーをわかりやすく公表することが提言されている。また、こうしたアドバイス・サービスの立ち上がりの支援や、投資助言業の登録要件の緩和などについても提起されている。今後は、アドバイザーの認定基準などをどのように具体化していくかについての議論が注目される。

◆金融リテラシーの向上に関しては、金融経済教育を推進する新機構の設立、企業等における職域での取組みなどが提言されている。また、海外の事例に倣い、資産形成に関する施策について政府が「基本的な方針」を策定することも予定されている。具体化が予想される、各ステークホルダーの適切な役割分担の内容は今後の注目点の一つだろう。

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