ソーシャルメディア上の情報発信に関する金融経済教育の事例

「フィンフルエンサー」の発する情報との付き合い方をどう教育するか

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サマリー

◆ソーシャルメディア上で投資や金融に関する情報を発信する「フィンフルエンサー」の影響力が強まっている。日本の若年層の多くは資産運用に関する情報をSNSや動画サイト等から得ているが、そこでは合理的な根拠のない情報や過度に投資行動を煽る情報も散見される上、フィンフルエンサーの発信する情報との付き合い方に関する教育もさほどなされていない。

◆証券監督者国際機構(IOSCO)が公表したフィンフルエンサーに関する市中協議文書では、諸外国において、ショート動画を用いてフィンフルエンサーの発する情報の受け取り方について簡潔に説明する事例や、金融に関する映画の上映と併せてセミナーを開催する事例などが紹介されている。またフィンフルエンサー向けに教育・啓発用動画などを作成する事例もある。

◆日本でも、フィンフルエンサーが発信する情報との付き合い方についても金融トラブルに関する教育の一環として教えることが一案だろう。また、日本における金融経済教育は受け手側の自発性が求められる形態のものが多いため、「金融経済教育への興味はないが、フィンフルエンサーが発する情報に触れる層」への積極的なアプローチとして、フィンフルエンサーが用いるソーシャルメディア上での啓発も重要となるだろう。

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