2022年12月14日
サマリー
◆2022年12月9日、金融審議会市場制度ワーキング・グループ「顧客本位タスクフォース」は中間報告をとりまとめ、公表した。
◆中間報告には、経済成長の成果の家計への還元、安定的な資産形成などの観点から、①顧客の最善の利益を図るべきこと(最善利益義務)を広く金融事業者一般に共通する義務として定める、②利益相反の可能性と手数料等(仕組債の組成コストなども含む)についての情報提供のルール化、③デジタル技術の情報提供への活用、④認定アドバイザー(中立性を有するアドバイザー(顧客の立場に立ったアドバイザー))の普及(助言対象を絞った投資助言業(例えば、つみたてNISAやiDeCoの対象商品に限定)についての登録要件の緩和など)、⑤資産運用業におけるプロダクトガバナンスの確保、⑥金融リテラシーの向上、⑦総合的な資産形成支援などが盛り込まれている。
◆今後、これらの提言を踏まえて、法令の改正を含めて、制度の見直し等の必要な対応が進められるものと思われる。継続して検討すべきとされた課題等については、顧客本位タスクフォースにおいて、さらなる審議が続けられる予定である。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
「資産所得倍増プラン」により家計の資産形成は大きく前進する見通し
年末に向けた焦点はNISAの年間・累計非課税枠の金額に
2022年12月08日
-
市場制度ワーキング・グループ 中間整理
持続的な経済成長を実現し、成果を家計へ還元する資本市場の諸施策
2022年07月05日
-
金融審市場WG 顧客本位の業務運営を強化へ
重要情報シートを導入
2020年08月13日
-
書面交付の原則デジタル化に向けて
顧客属性に沿った交付のあり方が今後の主な論点に
2022年06月27日
-
海外の金融経済教育における職域での推進と取組の検証
海外の取組事例と国民の安定的な資産形成実現に向けた日本への示唆
2022年11月24日
同じカテゴリの最新レポート
-
企業価値担保権付き融資の引当等の考え方
将来情報・定性情報を適切に債務者区分・格付に反映
2025年09月01日
-
今後の証券業界において求められる不正アクセス等防止策とは
金融庁と日本証券業協会がインターネット取引の新指針案を公表
2025年09月01日
-
令和6年金商法等改正法 公開買付制度の改正内容の詳細
30%ルール適用除外となる僅少買付け等は0.5%未満の買付け等に
2025年07月15日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
-
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
-
既に始まった生成AIによる仕事の地殻変動
静かに進む、ホワイトカラー雇用の構造変化
2025年08月04日
-
米雇用者数の下方修正をいかに解釈するか
2025年7月米雇用統計:素直に雇用環境の悪化を警戒すべき
2025年08月04日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
既に始まった生成AIによる仕事の地殻変動
静かに進む、ホワイトカラー雇用の構造変化
2025年08月04日
米雇用者数の下方修正をいかに解釈するか
2025年7月米雇用統計:素直に雇用環境の悪化を警戒すべき
2025年08月04日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日