水素社会の兆し サマリー版
水素社会の幕開け
2014年11月18日
サマリー
◆化石燃料を中心とした世界のエネルギー消費量は増加を続けており、その安定的な確保や気候変動への対応が喫緊の課題となっている。水素を本格的に利活用する「水素社会」は、エネルギー供給におけるS+3Eを実現する取組みの一つとして、各国で進められている。日本でも、水素社会の実現に向けたロードマップが示されるなど産官学連携で取組みが活発になっている。
◆「燃料電池」の利用では、エネファームの普及が進んでいる。燃料電池自動車(FCV)は年度内に一般販売される予定だが、水素ステーションの設置が課題となる。一方、水素を燃焼材とする水素発電などの研究開発も進められている。
◆国内の水素供給量は当面は十分と試算されているが、将来に向けた水素製造拠点や水素製造拠点と水素ステーションなどを繋ぐ輸送ネットワークの整備が各地で進められている。
◆気候変動対策の観点からは、製造時にCO2を排出しないCO2フリー水素の実現が求められる。水素は再生可能エネルギーのエネルギーキャリアや、被災時の非常用電源としての利活用が可能であり、世界に先駆けて、日本で水素社会が実現することに期待したい。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
2014年12月15日
水素社会の兆し 現地レポート
世界最大規模の水素エネルギー教育研究拠点となった九州大学
-
2014年06月25日
水素社会の兆し 第2回
分散型電源における水素の利活用
-
2014年07月01日
水素社会の兆し 第3回
燃料電池自動車のある社会
-
2014年11月21日
加速する水素社会への取組み
-
2014年07月07日
水素社会の兆し 第4回
FCVの普及に向けて
-
2014年07月14日
水素社会の兆し 第5回
水素技術の現状と課題
-
2014年07月25日
水素社会の兆し 第6回
地域に広がる水素社会
-
2014年09月01日
水素社会への期待と課題
『大和総研調査季報』 2014年夏季号(Vol.15)掲載
-
2014年10月28日
水素社会の兆し 第7回
再生可能エネルギーの大量導入を支える水素~Power to Gas~
-
2014年11月11日
水素社会の兆し 第8回
水素サプライチェーン、実証から実装へ
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
-
2022年05月17日
経済指標の要点(4/20~5/17発表統計分)
-
2022年05月17日
ミャンマー経済活性化の鍵
-
2022年05月17日
業績連動の株主還元方針が広がる地銀業界
過去1年間で16社が導入。上場地銀の4割強が業績連動型を志向
-
2022年05月16日
ウクライナ危機による資源高の影響
短期的には家計が2.0兆円、企業が2.6兆円の負担増に
-
2022年05月17日
フィジカルインターネットによるビジネス変革
よく読まれているリサーチレポート
-
2022年03月22日
日本経済見通し:2022年3月
ウクライナ情勢の緊迫化による日本・主要国経済への影響
-
2022年01月24日
円安は日本経済にとって「プラス」なのか「マイナス」なのか?
プラスの効果をもたらすが、以前に比べ効果は縮小
-
2022年03月23日
ロシアのウクライナ侵攻で一気に不透明感が増した世界経済
-
2022年02月10日
ロシアによるウクライナ侵攻の裏側にあるもの
ゼレンスキー・ウクライナ大統領の誤算
-
2022年03月17日
FOMC 想定通り、0.25%ptの利上げを決定
ドットチャートは2022-24年にかけて、計10.5回分の利上げを予想