サマリー
◆固定価格買取制度の開始により、日本の再生可能エネルギー設備容量は順調に増加してきた。しかし、2014年9月、電力5社は再生可能エネルギー電源の急増により電力の安定供給が困難になると判断、接続申込みの回答保留を発表するに至った。再生可能エネルギーを主要な電源の1つとしたエネルギー供給構造を目指すのであれば、「送電網の増強」や「蓄電」などの手段を計画的に講じて行かなければならないだろう。
◆再生可能エネルギー政策で日本に先行するドイツでは、解決策の一つとして水素の蓄電能力に着目、再生可能エネルギーによる余剰電力で水を電気分解して水素などのガスを製造しガス配管網等を通じて利活用する“Power to Gas”プロジェクトを推進しており、その概念は欧州全域に広がりつつある。
◆ガス配管網などインフラ面の環境が欧州と異なる日本では、水素を、トラックや船などで輸送・貯蔵するための「エネルギーキャリア」技術が注目されており、いくつかの研究が進められている。日本はエネルギー基本計画において、2040年頃に再生可能エネルギーによるCO2フリーの水素供給の実現を目指している。一方、再生可能エネルギーの導入拡大に伴う余剰電力の問題は喫緊の課題であり、実現の加速化が待たれる。
◆そのような中、再生可能エネルギー資源に恵まれた自治体では、すでに再生可能エネルギーの余剰電力の問題を見据え、民間企業との協力等により地域産の水素(エネルギー)を生産して、地域資源の有効活用と地域活性化を図る試みが行われつつある。CO2フリーの水素社会の実現に向けて、地域のリーダーシップに期待したい。
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