水素社会の兆し 第4回

FCVの普及に向けて

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サマリー

◆水素エネルギーの利用に関する取組みは継続して進められてきており、国による主要な事業費用の合計は2003~2013年度で3,000億円以上に及ぶ。水素の需要・供給それぞれの技術にある程度の目途が立ち、水素社会の実現に向けて動き出そうとしている。


◆電気自動車は、車両購入に対する国の助成や、充電インフラ整備に対する官民それぞれの補助によって市場環境が整いつつある。モデル地域へ集中的なインフラ整備と普及啓発を行う施策がベースとなっており、社会インフラを整備する上では、そのような地域に密着した取組みが重要となる。


◆FCVは2014年度中にも市場投入されると見られる。水素ステーションの十分な整備が普及の条件となるが、その設置・運営に係るコストが課題である。普及当初は、四大都市圏の中心部などの地域において水素ステーションが集中的に整備されると見込まれるが、積極的な投資が行われる仕組み作りが重要である。


◆国は「水素・燃料電池戦略ロードマップ」を策定し、水素エネルギーの利活用に向けて目指すべき目標と、今後の取組みの時間軸を明確にした。FCVの普及には課題も多いが、国、自治体、インフラ事業者、自動車メーカー等の関係者が相互に協力し、一体となって解決することが期待される。

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