コーポレート・ガバナンス報告書の更新時期をどう考えるか

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2026年08月10日

5年ぶりにコーポレートガバナンス・コード(CGコード)が改訂された。コードのスリム化・プリンシプル化、経営資源の配分による成長投資の促進、有価証券報告書の総会前開示、取締役会の機能強化などが主な改訂点である。

上場会社は定時株主総会後遅滞なくコーポレート・ガバナンス報告書を東京証券取引所(東証)に提出する必要があるが、今回のCGコードに基づく報告書の更新は2027年7月末までに行う必要がある。これまでの改訂ではコード改訂から約6ヵ月以内の更新が求められたが、今回は1年程度の準備期間が設けられている。これは、①コードのプリンシプル化・スリム化によって文言の改訂が大規模、②経営資源の配分に関する検証・開示など、事業戦略・成長戦略とあわせた検討、が理由と考えられる。筆者は多くの上場会社を訪問して、CGコードについて意見交換を行っているが、1年程度の準備期間を短いとする会社は見当たらず、おおむね妥当な期間と受け止められている印象である。

もっとも、上場会社のコーポレート・ガバナンス報告書作成部署の悩みは深い。他社が新たなコードに基づく報告書にどう対応するのか、確認したいとの声は非常に多い。特に、12月決算会社は定時株主総会を3月中旬以降に行うことが多く、報告書の更新は通常3月末から4月にかけて行われる。訪問した12月決算会社の中には、2027年3月の定期更新では従来どおり2021年版コードに基づく報告書を提出し、その後、期限までに改訂コードに対応した報告書を改めて提出する考えを示す担当者もいた。一方で、定時株主総会後の定期更新で新たなコードに基づく報告書を提出するとの声もあった。これは、短期間のうちに2回報告書を更新する実務負担が小さくないためとみられる。

他方で、CGコードに関するパブリックコメントでは、2026年3月期のコーポレート・ガバナンス報告書の定期更新時に改訂版コードを参照した記載・提出を選択可能とすることを求める上場会社があった。東証は準備ができ次第、提出を求めている。本稿執筆時点では、この上場会社の報告書はまだ開示されていないが、もし提出されれば最も早い会社になりそうである。どのような対応になるか、注目したい。

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神尾 篤史
執筆者紹介

政策調査部

主席研究員 神尾 篤史