2025年01月15日
企業経営において「サステナビリティ」の重要性はますます高まっており、もはや無視できないものとなっている。各企業には、気候変動などの地球環境問題や、従業員の健康・労働環境など、さまざまな課題への適切な対応が求められている。環境・社会・経済の持続に配慮した経営に取り組むことが、結果として企業の持続可能性を高めていく。このような考えに基づく経営を「サステナビリティ経営」と言う。
サステナビリティ経営を推進していくにあたっては、当然、企業自身がサステナブルであることが前提となる。つまり、企業が営む事業が経営として成り立ち、企業が持続する必要がある。
一方で、事業は20年や30年で陳腐化するとも言われている。変化の激しい近年では、さらに短期間で陳腐化する場合も多い。今営まれている事業がそのまま永久に持続する可能性は低い。企業が持続するためには、この限られた期間内に新規事業を生み出す、もしくは自ら変化していく必要がある。
新規事業の誕生にはさまざまな形がある。例えば、既存事業に近い新規事業は、日々の事業運営の中から新しいアイデアが芽生え生まれる場合もあれば、事業部の企画部門や新規事業検討チームから生まれる場合もある。
既存事業から生まれにくい新たな分野の新規事業は、会社の経営企画部や新規事業開発部門、研究開発部門から生まれる場合もある。ビジネスプランコンテストのようなイベントを開催し生み出す場合もある。
新規事業の考え方も、世の中に存在しない新たな領域に挑戦する形もあれば、世の中に存在するが質の面で十分なサービスが提供されていない業界に挑戦する形もある。新たな市場が立ち上がりつつある業界に二番手、三番手としての参入する形もある。また、新規事業への参入方法には、ゼロから立ち上げる方法もあれば、M&Aで取得する方法もある。
このように新規事業はさまざま場所や形、方法で芽生えてくるものである。これらの芽が途中で摘み取られることのないように企業には多面的な取り組みが求められる。新規事業がどのように生まれ、生まれたアイデアを拾い上げ、それらのパイプラインを管理する等の仕組みが皆様の会社では整理、共有されているだろうか。
このような仕組みを整えることが、全役職員に新規事業の必要性を理解してもらい、活動を活発化することにもつながる。
新規事業への取り組みは、売上拡大やコスト削減、利益を高めることに日々必死に取り組んでいる事業系の役職員から見ると、短期的な成果が見込めない、失敗続きの役に立たない活動に見えることもある。しかし、企業がサステナブルであるためには、この困難な取り組みを継続し、チャレンジし続ける必要がある。
新規事業の検討は、一時的なコストではなく、企業が持続するために最も大切な投資の一つである。新しい年の始まりに、今年はどんな新規事業を考えようか、何処からわくわくする新規事業が生まれてくるだろうかと、役職員全員が思いを巡らせる企業こそが、サステナビリティ経営のもとで未来へと続く旅の切符を手にしているのではないか。
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- 執筆者紹介
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マネジメントコンサルティング部
主席コンサルタント 弘中 秀之
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