2023年04月05日
2023年のワールド・ベースボール・クラシックは日本代表チームが優勝した。そしてMVPに輝いたのは大谷翔平選手(以下大谷選手)である。その大谷選手が高校生時代に書いた『目標達成シート』の話は有名だが、驚くのはその内容である。野球が上達する技術面だけではなく、基礎体力つくり、人間性、運などにも及んでいる。高校生が書いたとは思えないほど卓越しているのだ。プロ野球のドラフトで1位指名を獲得し、その後はメジャーリーグへ進むことも書かれているという。そして偉大な目標を実現したことはまさに脱帽、賞賛しかない。目標達成のお手本のようなストーリーである。
さて、『夢は実現する』、『願いは叶う』という類のタイトルの書籍は書店に行くとたくさん並んでいる。そしてどの書籍もほぼ同じことが書かれている。
1.目標を設定しよう。現状や制約条件を気にせず、達成したいことを素直に書き出す。
2.書き出した目標の中から自分が本当にやりたいことを絞り込み、達成の予定日を記入する。
3.目標達成に向け、継続して行動することを具体的に書く。
4.すでに目標を達成している自分をイメージしながら、行動を習慣化する。
5.定期的に目標を読み返し、どれくらい近づいているかを確認する。必要があれば行動に修正を加える。
6.感謝の気持ちを忘れずに、ポジティブな気持ちで毎日を過ごす。
以上のような内容である。
大谷選手も目標達成に向けて、毎日地味なトレーニングを積み重ねたことであろう。ここが重要だ。大谷選手に限らず何かを成し遂げた人は多かれ少なかれ同じような経験を積んでいる。
しかしながら悲しいかな筆者は3日坊主で挫折してしまうのである。『目標のレベルが高すぎる』、『能力が足りない』、『方法が間違っている』、『所詮自分には無理』、言い訳はいくらでも出てくる。過去の目標を棚卸すると、ことごとく挫折している。
その中で1つだけ成功した出来事を思い出した。それはコンサルタントになりたての頃に立てた目標だ。それは『40歳までに本を書く』というものだ。当時職場の先輩から、「コンサルタントなら自分の著作を持っているべきだ」、と言われたことが頭の片隅に残っていたのが動機である。そして41歳で目標を達成することになる。そこへたどり着いた理由は地味な行動を継続したことだ。毎日ではないが、何か気になったこと、思いついたアイデアをメモに残したことである。いつか本のネタにしようと考えて書き溜めた素材が蓄積した頃に、出版社と巡り合うことができたのである。
不思議なもので地味なことでも継続していれば前進があったり、機会に恵まれたり、周囲の応援が得られたり、とチャンスの予兆ともいえる変化が起きる。それは大谷選手が掲げた『運』かもしれない。その時にチャンスをつかむ準備ができているか否かが目標達成を大きく左右するのではないだろうか。準備をしていれば何か変化が起きた時に、『これはチャンスだ』、と気づくはずだ。ここが目標達成の真骨頂だと考えるのである。
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- 執筆者紹介
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マネジメントコンサルティング部
主任コンサルタント 柳澤 大貴
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