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長時間労働解消のトンデモアイデア集

2017年09月27日

経営コンサルティング第二部 主任コンサルタント 柳澤 大貴

長時間労働をやめて残業時間をゼロにしよう。『その通りだ』、誰もが頭で理解している。しかし、実態は遅々として改善が進まない。進まない理由を挙げるときりがない。途方もないくらいの理由が押し寄せてくる。本稿では残業時間を減らすためのとんでもないアイデアを列挙してみた。しばし楽しんでいただければ幸いである。当然のことであるが、顧客対応や職種により残業時間ゼロは無理という場合もあるだろう。本稿ではそのような諸事情は考慮せず、アイデアベースで列挙する。

もはや掛け声だけでは、残業時間ゼロは達成できない。発想の転換が必要だ。残業時間ゼロがどれほど自分たちの生活の質の向上につながるか、ということを感情で理解してもらうことがポイントである。人間の行動は理性ではなく感情で動くと言われる。人間はまず損をしたくないと考える。その次に得をしたいという感情につながる。多くの同僚たちが残業時間ゼロを達成している。しかも残業手当をもらっている自分より報酬が多ければ誰だって残業をしようとは思わなくなるだろう。個人や組織を問わず生産性を向上し、定時退社がお得という状況を作り出すのである。ボーナス&ペナルティーを上手く組み合わせる知恵が不可欠である。

■その1 定時退社インセンティブ
毎月の給与は残業手当がつくが、定時退社した社員には賞与で生産性向上分を加算する。残業した社員には生産性加算を行わない
■その2 定時前退社インセンティブ
プレミアムフライデーに留まらず、毎週金曜日に15:00退社した社員には、賞与加算制度を設ける
■その3 昇格インセンティブ
定時退社する社員の昇格を優先する。定時退社を人事評価で加点し、残業時間ゼロを継続している社員の昇格を優先する
■その4 役職者インセンティブ
部門の責任者である役職者が対象である。役職手当にA、Bを設ける(金額はA>B)。自分も部下も定時退社している役職者は役職手当Aを適用する。逆に本人、部下も含めて残業がある場合は役職手当Bを適用する
■その5 提案制度インセンティブ
自分が工夫して残業時間をゼロにした内容を会社に提案する。提案は随時受け付ける。提案時点で評価ポイントを加点し、翌年の昇給に加算する。毎年審査を行い、これは全社に展開すべきという内容を『ノー残大賞』として表彰し(もちろん複数可)、100万円の賞金と5日間の特別休暇を付与する。ちなみに10万円や20万円では効果がない。思い切って100万円である。残業時間ゼロのナレッジの蓄積が知的資産となり、じわじわと社内に浸透すると収益に効いてくる
■その6 残業時間ゼロ『いいね」投票インセンティブ
毎年1回、残業時間ゼロの社員で『ぜひ参考にしたい』、『取り入れたい』という社員に投票を行う。こちらは社員目線での他薦である。投票数が多い社員には50万円の賞金と5日間の特別休暇を付与する
■その7 譲渡制限付株式インセンティブ
5年以上残業時間ゼロの社員を対象に自社株のインセンティブを付与する。金額は年収の50%として、譲渡制限付株式で付与する。さらに10年間以上残業時間ゼロの社員には年収の100%を付与する。生産性が向上し企業収益が向上すれば株価も上昇し、インセンティブの総額はさらに大きくなる。場合によっては退職金の額を上回る可能性もある

これくらいやれば『残業時間ゼロは無理』と決め込んでいた社員も、やらないと損だと感じてくるに違いない。食べられないニンジンではなく、魅力を体感できるニンジンが必要である。

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柳澤 大貴

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経営コンサルティング第二部
主任コンサルタント 柳澤 大貴