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「次回の金融緩和の時期は?」に対する最適な回答

2014年11月18日

経済調査部 エコノミスト 久後 翔太郎

10月末に日本銀行は量的・質的金融緩和の拡大を決定し、市場は大きく反応した。日本銀行自身は否定しているが、追加緩和の時期や規模に関して、サプライズを狙うことで効果を大きくさせることを意図しているのは明らかである。

サプライズの大きさは、金融緩和の規模や実施時期が、マーケットコンセンサスからどの程度かい離しているかで測られるため、サプライズによって金融緩和の効果を大きく見せるのであれば、日本銀行はマーケットコンセンサスを強く意識せざるを得ない。同じ規模の緩和を行っても、事前の期待値を下げておけば、効果を大きく演出することができる(※1)。10月末の追加緩和に至るまでの日本銀行のアナウンスを見ても、直前まで強気の物価見通しが示されており、このことが追加緩和への期待値を下げていたことは間違いないだろう。

しかし、日本銀行のこのようなスタンスはマーケットコンセンサスを形成する側の立場である筆者にとっては大きな悩みの種である。

1つには日本銀行のアナウンスをどの程度信用してよいか判断に迷うことである。無論、日本銀行のアナウンスと実体経済や物価の状況が整合的であれば、疑いの余地はない。しかし、それらが非整合的な状況になった場合には、日本銀行のアナウンスに対して「サプライズを演出するために期待値を下げているのではないか?」という疑念が生まれる。

次なる悩みは、マーケットエコノミストが追加緩和の時期を予想するにはどうすればよいかという点である。サプライズを演出するためには、マーケットエコノミストの予想を外させる必要があり、Followerである日本銀行に大きく分がある。この問題に対する1つの解決策としては、「追加緩和の時期:コンセンサスの3ヶ月前」、「追加緩和の額:コンセンサスの1.5倍」といった回答を用意することが挙げられる(※2)。サプライズを重視しているとみられる現行の金融政策運営を前提とした場合には、これらが最適な回答であるだろう。

冒頭で述べたように、今回の追加緩和に関して日本銀行は意図的にサプライズを演出した可能性を否定しており、以上のコラムは筆者の妄想にすぎないかもしれない。ただし、10月末の追加緩和を市場がサプライズと受け止めること自体は日本銀行も予想していただろう。今回のサプライズ緩和が市場の期待形成の過程にどのような変化を与えるかが注目される。

(※1)実際には、追加緩和が織り込まれ始めた段階で株価は上昇する可能性が高い。このため、追加緩和を織り込まない状態でサプライズを与える方が効果的であるとは必ずしもいえない可能性がある。
(※2)もちろん、このような回答を用意することには、回答者の全員がこれらの選択肢を採用した場合にコンセンサスが形成されないという問題点がある。

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