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海外資金の日本株投資の現状

2006年03月09日

古島 次郎

昨年年央の日本株の上昇を演出した外国人の投資スタンスはどの様に変化しているのだろうか。外国人の日本株投資は、昨年12月に一度は落ち込んだものの、今年1月にはライブドアショックや旧正月であったにも関わらず比較的高水準に推移している。ただし、主力の米国の資金に変化が見られる。米国の対外株式投資の水準に大きな変化はないが、それまでの日本への選択的投資から、昨年秋以降日本向けは鈍化し欧州向けが増加しているのである。米国の投信の動向を見ても日本株投信への資金流入は、昨年11月をピークに鈍化、今年2月には流出に転じている。一方、欧州株投信への資金流入は、欧州の景況の改善に加えECBの利上げなどのイベントリスクを経て、昨年12月以降増加傾向にある。米国の対外株式投資の欧州株シフトが明確になってきている。

それでは、今年2月の第3週に日本株を買い越した外国人の牽引役はだれであろうか。一つ指摘できるのは、日本株を対象としたヘッジファンドである。昨年12月には日本株ヘッジファンドへの資金流入が観察されている。これらのファンドが実際に株式投資を実行する場合、通常数ヶ月のタイムラグが観察されることが多い。水準調整を経た日本株市場に、昨年末に日本株ヘッジファンドに流入した資金がようやく環流し始めたのではないかと推察される。米国の対外株式投資における日本ウェイトは、世界株式市場に占める日本市場のウェイトと比較して依然低位にあると考えられる。米国が世界最大の株式投資国であるというフレームワークが変わらない限り、何れは米国の日本株投資が増加することになる。ECBの利上げにより金融政策イベントリスクが払拭され、米国資金の欧州株シフトが起きたように、日本の量的緩和解除は米国からの日本株投資の再度本格化の契機になる可能性がある。昨年末の日本株ヘッジファンドへの大量の資金流入はその先兵であったと見方も出来るのではないだろうか。

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