FOMC 2会合連続で金利据え置きを決定

中東情勢に加え、議長人事が金融政策運営の不確実性を高める

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2026年03月19日

  • 経済調査部 主任研究員 矢作 大祐
  • ニューヨークリサーチセンター 研究員(NY駐在) 藤原 翼

サマリー

◆2026年3月17日・18日に開催されたFOMC(連邦公開市場委員会)では、政策金利であるFF(フェデラルファンド)レートの誘導目標レンジは3.50-3.75%と、2会合連続で金利据え置きが決定された。市場は金利据え置きを事前に織り込んでおり、今回の決定はサプライズとはならなかった。

◆今回公表されたFOMC参加者による経済見通し(SEP)では、中東情勢の悪化を受けて、インフレ率の引き上げが目立った。ドットチャートでは、2026年内の利下げ幅の中央値は0.25%ptと変化はなかったものの、2026年内のFF金利の据え置きを予想するFOMC参加者が増加したことから、インフレ高止まりへの警戒感が強まったといえる。

◆先行きに関しては、利下げ再開のタイミングが注目点だ。利下げタイミングを巡る最大の不確定要素は中東情勢だろう。市場はWTIが上半期中は高止まりすると予想しており、当面はインフレ率の押し上げが意識されやすい。雇用環境に関しては、多くの企業で人員の削減が計画されており、4-6月の失業率が高止まりする可能性がある。つまり、FRBは物価の安定を重視するか、雇用の最大化を重視するかというデュアルマンデートの間でのジレンマに直面し、難しいかじ取りを迫られることになるだろう。

◆加えて、5月にはパウエル議長の任期満了を迎えるが、後任候補のウォーシュ氏の承認手続きは進んでいない。FRBの運営体制が移行期となる中で、金融政策には様子見バイアスが強まりやすいだろう。利下げを再開するとすれば、2026年下半期というのが現実解として想定される。

◆このほかの注目点としては、プライベート・クレジット市場を起点とした金融リスクの高まりだろう。現在は金融リスクの所在がプライベート・クレジット市場に限定されているが、銀行など金融システムへの悪影響が見られれば、FRBによる流動性供給や信用緩和が求められる可能性も考えられる。しかし、新議長人事が遅れていることや、後任候補のウォーシュ氏がFRBのバランスシートの拡大に消極的なことを踏まえれば、金融リスクの発現時には初動の遅れに注意を要する。

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