「KPI」と「KBI」

2016年2月2日

  • コンサルティング・ソリューション第二部 主席コンサルタント 竹田 哲郎

アベノミクスの影響で、KPIという言葉が身近になってきた。アベノミクスの成長戦略「日本再興戦略」では、『2020年に女性の就業率を73%にする』のように、政策ごとに達成度を測るための指標とその目標値をKPIとして定めている。

KPI(Key Performance Indicator)は、1990年代にバランス・スコアカードの進捗状況を測定するためのツールとして開発された。その後、様々な分野で応用されるようになり、「重要業績評価指標」と訳される。経営コンサルティングの分野では、上位概念であるKGI(Key Goal Indicator:重要目標達成指標)とセットで設定し、マネジメントツールとして用いる。

KGI=達成すべき最終目標となる指標およびその目標値
KPI=最終目標を達成するためにウォッチしておくべき指標およびその目標値

つまり、KGIが目指すゴールであり、KPIがゴールに向かって進んでいるかどうかを示すコンパス(方位磁石)である。たとえば、ある企業の営業部門が「今年度は売上高10億円を目指す。そのために顧客リピート率を30%まで引き上げる」という目標を立てたとする。この場合、KGIは売上高、KPIはリピート率ということになる。

KGIもKPIも、目標や業績を管理する指標ではあるが、通常は直接にコントロールすることができない。前述の例であれば、売上高もリピート率も営業活動の結果として示されるものであり、営業部門が直接上げ下げすることができない。そのため、大和総研ではこれらに加えて、「KBI(Key Behavior Indicator:重要行動指標)」の設定を企業にアドバイスしている。KBIはKPIをクリアするためにとるべき行動を指標化したもので、当事者がコントロールすることができる。リピート率がKPIであれば、既存顧客への「訪問件数」や「提案件数」が該当する。KBIを設定することにより、KPI、さらにはKGIの達成に向けて、日々、何をしなければならないかが明確になるため、より組織を管理しやすくなる。また、KBIを人事評価指標として活用すれば、プロセスを重視した厚みのある評価が可能になる。営業員を結果としての売上高のみではなく、プロセスとしての訪問や提案の状況も踏まえて評価することにより、コツコツと努力する社員を適正に評価することができるのである。

ちなみに私の今年のKGIは「総コレステロール:200mg/dl未満」、KPIは「体重増加率:▲10%」、KBIは「一日平均歩数:12,000歩以上」。プロセスが正しければ結果がついてくるはずだが…。

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