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何が"firstfuel"となるか?

2014年11月11日

経営コンサルティング第一部 主任コンサルタント 平田 裕子

日本の3氏がノーベル物理学賞を受賞したニュースは、喜ばしいニュースとして日本を沸かせた。少ない電力で青色に光る発光ダイオード(LED)の発明が、省エネルギー業界に与えた影響は大きい。LED電球のエネルギー効率は、従来の白熱電球と比較して6倍程度高く(LED蛍光管の場合は従来型と比較して2倍程度)(※1)、高い水準の省エネルギーを可能にした。IEA(国際エネルギー機関)によると、世界の電力需要の約20%を照明設備が占めている(※2)。全照明設備が、従来の1/6~1/2という水準で省エネルギーを実現した場合、世界のエネルギー問題、地球温暖化問題の対策として大きく貢献するだろう。

日本では、東日本大震災後の電力不足に際し、投資を伴う省エネルギー対策として最も多く採用されたのが、LEDをはじめとする照明の省エネルギーであった。震災後に行われたアンケート(※3)によると、大口需要家のうち半数近くが「照明をLED等へ切り替え交換」したという。LED照明器具の出荷数量は2011年以降急激に増加し、2013年度における照明器具出荷数量のうち60%以上をLED照明器具が占めている(図表1)。大規模工事などを伴わず容易に導入できること、また、ベースロードで安定した削減が見込めること、さらに、LED照明(器具・ランプ)の価格低下が同時期に重なったことから経済的なメリットが出やすくなったことが大きく影響したと考えられる。

上記のことは、前回のコラム(※4)で触れた「定着節電」のうち、LED照明が一定の貢献を果たしたことを示している。言い換えると、省エネルギーという形で電力不足時に供給力を提供したことになる(ネガワット)。

IEAの“Energy Efficiency Market Report 2014”によると、IEA加盟11か国において1970年代以降実施された省エネルギーにより、2011年のエネルギー消費量は1,337Mtoe(百万石油換算トン)削減されたという。その削減量は、同11か国における石油(1,202Mtoe)、電力(552Mtoe)、天然ガス(509Mtoe)など主要なエネルギーの各供給量を上回ることから、IEAは省エネルギーを“first fuel”(「第1の燃料」)と称している。

日本では、今後固定価格買取制度の見直しやエネルギーミックスの策定などエネルギーに関するさまざまな議論が進むことが予想される。一方で、LED等省エネルギー技術の開発や価格低下も進んでいる。社会的費用負担を抑え環境性に優れたエネルギーは何か、“first fuel”の存在も踏まえた議論を進めてほしい。

照明器具の出荷数量構成比

(※1)メーカーカタログ等参照
(※2)IEA(2006),“Light’s Labour’s Lost
(※3)経済産業省 総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会 電力需給検証小委員会(第4回)資料4「2013年度冬季需給検証について」(平成26年3月31日)
(※4)平田裕子(2014)「定着節電のインパクト」大和総研コラム(2014年8月5日)

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経営コンサルティング第一部
主任コンサルタント 平田 裕子