独禁法の株式取得などの新しい事前届出制
2010年03月16日
今年1月31日以後に行われる株式取得や合併などについては、改正独禁法の新しい事前届出制度が適用されている。当然、一定の要件を満たした、ある程度の規模のものが対象であるが、個人的には、少々大変なのかなと感じている。例えば、株式取得の事前届出は次の通りである。
企業結合集団の国内売上高合計額が200億円超となる会社(「株式取得会社」。取得する側。)が、子会社を加えた国内売上高の合計額が50億円超となる会社(「株式発行会社」。取得される側。)の株式を取得する場合で、取得後に株式取得会社の企業結合集団の保有する株式発行会社の議決権の割合が20%および50%を超える場合には、事前に公正取引委員会に届出をしなければならない。
この中の「企業結合集団」とは、今回、新たに導入された用語である。「企業結合集団」という用語は、法令で厳格な定義がされているが、簡単に言えば、親子関係でつながる範囲の「グループ」全体を指す用語である。グループ経営の重視の流れを受けたものといえ、当然の改正かもしれない。この「企業結合集団」に気をつけて、「株式取得の事前届出」をみると、企業結合集団というグループ全体での株式の取得・保有状況につき注意しておかないと、いざ株式取得した場合に届出義務違反となる可能性があることに気づく。企業としては、普段から、企業結合集団というグループ全体での株式の取得・保有状況につき管理するなどの対策が求められることになる。なお、公正取引委員会の公表資料でもそのようなことが書かれている。
また、株式取得は、従来は事後報告であったが、今回から事前届出となった。そのため、独禁法の事前届出が義務付けられる株式取得の場合の実務上の手続きは、再検討が迫られている。法令を遵守しつつ、効率的な手続をどう作り出していくか、事前届出に直面した会社、弁護士などにおいて検討されているようである。例えば、独禁法の事前届出の義務を果たしつつ、TOB(公開買付け)をどのように行うべきかなどが検討されている。今後、実際に行われていく中で、手続きの問題は克服されていくのだろう。ただし、これらの事例及びその際の工夫は必ずしも公表されるものではない。それゆえ、後に続くもののために、難しい部分もあるのだろうが、関係者による公表が望まれる。
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堀内 勇世
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