TOB規制等の改正、施行迫る
2006年11月09日
※内容は2006年10月半ばに 執筆したものです
来 年にも、証券取引法は衣替えして、「金融商品取引法」として施行される。それに先立ち、公開買付け(TOB)規制や大量保有報告制度などが改正され、今 年11月中に施行される見通しとなった(※1)。その改正の概略は次の通りである。 TOB規制に係る改正 近年、TOB、つまり公開買付けを利用したM&Aが増加するとともに、多様化してきた。そこで、公正・透明性を確保する観点から、公開買付け規制について は、次のような改正が行われている。
大量保有報告制度に係る改正 機関投資家には「特例報告制度」の利用が認められている。この特例報告制度は、一般の報告よりも報告期限や頻度の点で猶予が与えられるというものである。 この制度についても改正が行われている。 特例報告制度を利用できない場合として、改正前は「事業支配目的がある場合」が定められていたが、「事業支配目的がある場合」とはどのような場合なのかが 不明確との指摘がなされた。そこで、明確化を図るため、政令で具体的に定める重要提案行為等を行う目的がある場合には、特例報告制度を利用できないとし た。 なお、特例報告制度については、報告期限・頻度を原則3ヵ月ごと15日以内からおおむね2週間ごと5営業日以内へと短縮する改正も行われている。ただし、 この報告期限・頻度を短縮する部分の施行日は、2007年1月1日となる見通しである(※2)。 (※1)(※2)9月13日から10月13日に、金融庁によりパブリックコメント 募集手続きにかけられた「証券取引法等の一部改正に伴う証券取引法施行令等の改正案」による。 |
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堀内 勇世
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