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連結ベースでの配当可能利益の算出?

2005年01月28日

機関投資家の方に今年の商法改正について話をすると、「会社の配当可能利益の算出は、単体ベースのままなのか?連結ベースで計算することはできないのか?」という質問を受けることがあった。単体ベースの現状の計算だと配当可能利益がほとんどない会社でも、仮に子会社を含めた連結ベースで計算すれば配当可能利益がでてくると思われる事例が頭にあったようである。残念ながら、今年に予定されている商法改正(=会社法制定)では、連結ベースで配当可能利益を算出するという項目はない。つまり、現状どおり単体ベースで配当可能利益を算出することになる。

しかしながら、今回の改正には、連結を意識した配当をしやすくする面も少しはあるのではないだろうか。

「配当の回数の柔軟化」、「定款による配当権限の取締役会委任」などの配当手続の柔軟化により、親子会社間の配当は柔軟に行いやすくなる可能性がある。例えば、ともに国内の3月決算の親会社A、子会社Bがあったとしよう。現在であると、A社が、X年3月期の配当可能利益をB社の配当で確保しておこうとすると、B社のX-1年3月期の配当とその後の中間配当で確保しておかなければならない。つまり、通常半年程度前までに手当てしておかなければならない。しかし、改正後ならば、B社はX年2月に臨時に配当することも理論的に可能となり、A社が配当原資を確保しやすなる可能性がある。

また、B社がX年2月に臨時で配当する際に、X-1年4月からX年2月までの期間損益を、配当可能利益の算出に反映させる方法も用意される。もっとも、決算に準じた手続が必要とされる(どのようなものになるかはまだ明らかではない)。

このように考えると、A社が、子会社から配当原資を集めた上で、A社の株主に配当をすることが機動的に行いやすくなると思われるのである。実際に行う際には、税制などの他の制度上の問題や、実務上の問題なども十分に検討しなければならないが、機関投資家の要望などを考慮すれば、一考に値するのではないだろうか。

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