配当の形態は変わっていくのか
2004年08月05日
配当は、現在、一年決算の株式会社であれば、商法で年2回までとされている。決算期の配当と中間配当である。また、配当は金銭で支払われている(金銭以外のものによる配当が可能かについては商法上争いがある部分もある)。このようになされている配当が様変わりする可能性がでてきた。平成17年にも予定されている商法改正の中で、配当に関する部分が変更される可能性がでてきた。
一つ目は、回数についてである。一定の要件を充たせば、定款による授権の下、取締役会決議により、いつでも配当できるように法改正することが検討されている。この改正が行われれば、四半期ごとの配当も理論的には可能となる。もっとも、改正法施行とともに、実際に四半期ごとの配当などが行われるかは、疑問もある。なぜならば、配当するためのコストの増大や、事務手続きの煩雑化などの問題もあるからである
二つ目は、配当として支払われるものについてである。配当等として金銭以外の財産(現物)を配当として交付すること、「現物配当」を可能とすることが検討されている。この改正が行われれば、事業再編などに使われる可能性もあるといわれている。しかし、金銭以外のものでもらっても困る株主も存在する。そこで、各株主からの請求があれば現物に代えてその価額に相当する額の金銭の分配をする場合を除き、原則として株主総会の特別決議が必要とされるようである。現物配当を可能とする改正が行われると、株主としては、特に現物でもらうと困る株主は、現物配当がなされるか否かに注意を払う必要が出てくるであろう。
なお、改正後、現物配当が活用されやすくするためには、税制の手当てがされないと困るであろう。手当てがされないと、現物(金銭以外の財産)だけしかもらえないのに、現金を別途用意して税金を支払わなければならないことになり、株主から嫌われる可能性がある。そうなれば、現物配当が事業再編などにも使いづらいものになろう。
一つ目は、回数についてである。一定の要件を充たせば、定款による授権の下、取締役会決議により、いつでも配当できるように法改正することが検討されている。この改正が行われれば、四半期ごとの配当も理論的には可能となる。もっとも、改正法施行とともに、実際に四半期ごとの配当などが行われるかは、疑問もある。なぜならば、配当するためのコストの増大や、事務手続きの煩雑化などの問題もあるからである
二つ目は、配当として支払われるものについてである。配当等として金銭以外の財産(現物)を配当として交付すること、「現物配当」を可能とすることが検討されている。この改正が行われれば、事業再編などに使われる可能性もあるといわれている。しかし、金銭以外のものでもらっても困る株主も存在する。そこで、各株主からの請求があれば現物に代えてその価額に相当する額の金銭の分配をする場合を除き、原則として株主総会の特別決議が必要とされるようである。現物配当を可能とする改正が行われると、株主としては、特に現物でもらうと困る株主は、現物配当がなされるか否かに注意を払う必要が出てくるであろう。
なお、改正後、現物配当が活用されやすくするためには、税制の手当てがされないと困るであろう。手当てがされないと、現物(金銭以外の財産)だけしかもらえないのに、現金を別途用意して税金を支払わなければならないことになり、株主から嫌われる可能性がある。そうなれば、現物配当が事業再編などにも使いづらいものになろう。
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- 執筆者紹介
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堀内 勇世
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