異次元緩和政策で供給された資金に変化の兆し

資金循環統計(2013年10-12月期)

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  • 中里 幸聖
  • 島津 洋隆
  • 金融調査部 主任研究員 太田 珠美

サマリー

◆日本銀行(以下、日銀)より2013年10-12月期の資金循環統計(速報)が公表された。株価上昇などにより、各主体の金融資産残高は概ね増加した。


◆日銀の国債購入は3四半期連続で10兆円台後半の高水準となった。主な売り手は預金取扱機関である。国債売却代金はこれまで日銀当座預金に積み上がっていたが、今回は貸出にも向かっている模様である。貸出残高は政府、企業、個人向けと幅広い範囲で増加しており、資金需要の回復が窺える。


◆事業会社(民間非金融法人企業)による対外直接投資はさらに拡大した。また、企業間・貿易信用がフローベースで過去最大となっていることから、企業間取引や輸出入が拡大している可能性がある。


◆家計の金融資産残高は、前期に続き史上最高値を更新した。株式・出資金については保有残高こそ増えたもののフローベースでは売越しとなっている。買い手となったのは主に海外主体であった。

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