2026年07月17日
サマリー
◆株主還元の指針となる「配当方針」に、「中間配当の導入」を追加する企業が増えている。特にこの1年間(2025年7月~2026年6月)は26社が導入を開示しており、2022年(暦年)の6社から大幅に増えた。株主還元のひとつとして、「キャッシュを早く受け取れる機会」を株主に提供することを重視した施策である。
◆しかし、配当方針変更の開示後の株価の動きは、「増配」の内容を含む場合に比べ、「中間配当導入」の場合は見劣りする。両者とも、開示直後は市場平均(TOPIX)の動きを上回る企業が多いが、中央値で比較すると中間配当導入の方が2%ポイント低い。
◆また、開示から1ヵ月後までの持続力にも差がみられる。「増配」を含む場合は、TOPIXを3~4%ポイント上回った水準で推移しているのに対し、「中間配当導入」の場合は4営業日目以降、TOPIX並みかやや下回る水準に低下している。中間配当の導入は配当の受取時期を前倒しする効果に留まり、株主に帰属するキャッシュフローの総額を直接的に増加させるものではないことが影響していると考えられる。
◆現状、中間・期末ともに配当を行っている企業は6割強に相当する。このため、中間配当未導入の企業は、株価を直接押し上げる効果より、同業他社に比べた不利を解消することに着目し、導入を検討することが望ましい。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
「累進配当」を採用するメリットと課題
株式相場が下落する局面ではTOPIXをアウトパフォームする傾向
2026年06月16日
-
増加してきた株主還元方針の見直しに一服感
2025年下半期の振り返り。開示件数は前年同期を下回る
2026年01月30日
-
株主還元に比率目標を掲げる主要企業が6割を超える
DOEは機械や化学で、累進配当は卸売業や銀行業での採用率が高い
2025年09月11日
同じカテゴリの最新レポート
-
預貸率における地域間格差
東京都への一極集中と地域金融機関に期待される対応
2026年10月02日
-
機関投資家は「資本コストや株価を意識した経営」の何を評価しているか
東証アンケートの評価コメントの分析
2026年09月30日
-
近年の住宅ローン市場の変化
金融機関に期待される審査体制の見直しと顧客本位の情報提供
2026年09月29日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
国税庁が非上場株式評価の方向性を公表
簿価純資産と収益力で評価する「残余利益方式」に統一の方向
2026年09月08日
-
GPIF経営委員会の8月開催が意味すること
基本ポートフォリオ見直しに向けて第一歩を踏み出したのか
2026年09月01日
-
日米協調介入は円安の是正にどこまで効果を発揮したのか?
更なる介入の合理性は低下。レジーム転換の有無が今後の焦点に
2026年09月14日
-
コーポレートガバナンス・コード改訂の焦点
企業の自律的な判断と実質を伴う説明が問われる
2026年08月27日
-
第230回日本経済予測(改訂版)
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年09月08日
国税庁が非上場株式評価の方向性を公表
簿価純資産と収益力で評価する「残余利益方式」に統一の方向
2026年09月08日
GPIF経営委員会の8月開催が意味すること
基本ポートフォリオ見直しに向けて第一歩を踏み出したのか
2026年09月01日
日米協調介入は円安の是正にどこまで効果を発揮したのか?
更なる介入の合理性は低下。レジーム転換の有無が今後の焦点に
2026年09月14日
コーポレートガバナンス・コード改訂の焦点
企業の自律的な判断と実質を伴う説明が問われる
2026年08月27日
第230回日本経済予測(改訂版)
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年09月08日

