2026年07月27日
サマリー
◆2026年5月に施行された企業価値担保権制度は、不動産担保や経営者保証に依存した従来型の融資から、事業の成長性や企業価値に着目した融資への転換を促すものであり、スタートアップや中堅・中小企業への新たな資金供給手段として期待されている。
◆制度開始直後から地方銀行を中心に活用が進み、既に幅広い業種で利用事例が確認されている。しかし、金融機関ごとに融資先を評価するポイントは多様であり、企業価値の源泉を総合的に評価する必要がある。
◆特許出願や研究開発に関する統計をみると、一部の業種では知的財産やノウハウの蓄積が進んでいることが示唆され、こうした無形資産を競争優位の源泉とする企業は、本制度との親和性が高いと考えられる。
◆一方、研究開発への取組みが活発な業種ほど金融機関からの借入への依存度が高いわけではなく、一部には「成長可能性はあるものの十分な資金調達ができていない」企業が存在する可能性が示唆される。
◆本制度の成否を左右するのは、制度そのものではなく、金融機関の事業性評価能力である。金融機関は専門人材を育成しつつ、事業の将来性が見込まれる企業へ積極的に資金を供給し、企業の成長と自らの収益基盤強化を両立させる取組みが求められる。
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