起業家に学ぶチームビルディング
2024年01月17日
年末年始は、一年を振り返りつつ、新しい年をどのように過ごすかを考える機会でもある。筆者にとっては、トニー・ファデルの『BUILD 真に価値あるものをつくる型破りなガイドブック』がその一助になった。
ファデルは、「iPodの父」とも呼ばれており、アップル退社後は、ネットワーク機能・自己学習機能を持つサーモスタット等をつくるネストを起業した人物である。そのファデルが、「日々、大学を出たばかりの若者、企業の経営者や幹部、インターンなどビジネスの世界で必死に前に進み、キャリアを築いていこうとする人たちにするアドバイス」をまとめたのがこの本である。
ファデルは「サービス、店、あるいは新しいタイプのリサイクル工場など、あなたがつくるものすべてがプロダクト」だという。そして、「今はまだ何かをつくる気がない人」にとっても役立つように、「『自分』をつくる」、「キャリアをつくる」、「プロダクトをつくる」、「ビジネスをつくる」(※1)、「チームをつくる」と話を進める。
この本がユニークなのは、プロダクトをつくっていく過程とチームをつくっていく過程が段階を踏んで説明されているところだ。
ファデルは、「ユーザーのエクスペリエンス全体、つまりユーザーがあなたのブランドを初めて知ったときから、返品するか捨てるか、友人に売ったり中身をリセットするなどして別れを告げるまでの一連のプロセスが、あなたのプロダクトなのだ」という。顧客としては「広告、アプリ、エクスペリエンス、カスタマー・サポートをそれぞれ区別して考えない」のである。プロダクトをつくることは、それにふさわしいチームをつくることとセットである。
そのように考えると、プロダクトのV1(バージョン1)を開発する段階とV2をつくる段階では、プロダクトの優先順位が変わるとともに、チームのあり方も変わってくることになる。事業が成長し、従業員が増えれば、「組織のあり方やコミュニケーションの方法」を変えていくことが必要になる。
ファデルは本書の最後に、「突き詰めると、重要なものは二つしかない。プロダクトと人だ」という。確かにそうである。新年にあたり、改めて原点に立ち返りたいと思う。
(※1)原文の”BUILD YOUR BUSINESS” に基づき記載(日本語訳とは異なる表記とした)
参考文献
『BUILD 真に価値あるものをつくる型破りなガイドブック』(トニー・ファデル著、土方奈美訳、早川書房、2023年)
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- 執筆者紹介
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マネジメントコンサルティング部
主席コンサルタント 吉村 浩志
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