テキスト分析が映し出す金融当局の楽観視

金融当局ネガティブ指数で、金融システムへの警戒感の変化を読む

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サマリー

◆本レポートでは、日米欧英の金融当局やIMFが公表した金融システムに関するレポートをテキスト分析し、そのネガティブな雰囲気を数値化した「金融当局ネガティブ指数」を算出した。この指数は、リーマン・ショックや欧州債務危機等、金融システムへの懸念が高まったタイミングで上昇しており、過去の重大局面を概ね捕捉できている。

◆近年の金融当局ネガティブ指数を見ると、コロナショック前の2019年時点で比較的高い水準に達しており、事前の危機認識の高まりが迅速な市場安定化策を後押しした可能性が指摘できる。その後も2022年には再び上昇し、金融当局の警戒感が高まったことがうかがえる。

◆一方、直近(2025年下半期)に、この指数は過去有数の低水準に達しており、金融当局間のグローバルなコンセンサスとして、金融システムは安定的と評価されていることが示唆される。ただし、金融当局の警戒感が薄れている局面でショックが発生すると、対応が後手に回り影響が拡大するリスクも考えられる。金融当局と金融機関の双方は、金融システムへの警戒を緩めず、必要に応じて危機発生時の対応力を点検および強化すべきである。

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