引っ越しで可視化されてしまった“リニア”なライフスタイルへの反省
2022年11月16日
先日、引っ越しをした。前の家には10年ほど住んでおり、押し入れやクローゼットの奥には、10年前に移り住んでから1度も使っていないモノが大量に眠っていた。引っ越し前に“断捨離”を決意し、不要と判断したものをフリマアプリに出したり、古書店に持ち込んだりしたが、最終的に大半をごみとして焼却場に運び込むことになった。リニアエコノミー(大量生産・大量消費・大量廃棄型の経済・社会活動)からサーキュラーエコノミー(Reduce、Reuse、Recycleの3Rの取り組みに加え、資源投入量・消費量を抑えつつ、ストックを有効活用する循環型の経済・社会活動)への移行の重要性が叫ばれる時代であるが、大量のごみを目の前に、まさに自分の生活スタイルがリニアエコノミー型だったと、反省した。
ちなみに、引っ越し前に住んでいたマンションは6階建て、引っ越し後のマンションは20階建てで、住民の数がだいぶ違う。引っ越し直後、新しいマンションのごみ置き場に置かれるごみの量に圧倒された。このマンション1棟でこれだけのごみが出るのだから、市全体ではものすごい量のごみになっているのだろう。筆者の住む自治体は、生ごみを分別収集して資源化するなど、先進的な取り組みを行っているものの、そういった取り組みと並行して各人のごみ削減努力が大事だと思う。
最近はレンタルやシェアリングサービスで取り扱う商品も広がっている。たまにしか使わない、一時的にしか使わないものは、こうしたサービスを活用するのがよいかもしれない。(ちなみに筆者が過去に利用してよかったと思ったのは、子どもが生まれた際に借りたベビーベッドと電動バウンサー、友人の結婚式に参列する際などに使える衣装のレンタルである。)
不要なものがあると、本当に必要なものがそれに紛れて見つけられなかったり、掃除がしづらくなるなど、デメリットも多い。筆者の住む自治体はゴミ袋が指定されており、有料でもあるので、廃棄物が増えれば家計の出費も増える。地球環境のためだけでなく、自分のためにも、サーキュラーエコノミー型のライフスタイルにしていきたい。
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- 執筆者紹介
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金融調査部
主席研究員 太田 珠美
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