サマリー
◆米トランプ大統領は7月31日、ベトナムに対する相互関税の新税率を20%と発表した。これに先立つ7月2日、トランプ大統領は自身のSNSを通じて、米国とベトナムの通商合意を発表していた。それによると、ベトナムが米国に輸出する財に係る関税率が20%であるのに対し、米国がベトナムに輸出する際に賦課される関税率はゼロ%となっている。ベトナムが米国製品に対する関税を大幅に引き下げる一方で、米国は対ベトナム関税を一定程度維持する内容となっている。
◆ベトナム政府は、トランプ大統領によって公表された内容に満足しておらず、協議を継続する意向を示すとともに、米国との相互貿易協定の締結に向けた次段階の実務作業を進めていく方針を明らかにした。
◆協議が継続されているものの、ディールの骨格が大きく変更される可能性は低く、最終的な協定でも依然としてベトナムにとって不平等に映る内容となる可能性がある。そのような状況下でもベトナムが協定締結に踏み切る背景には、協定による「先発優位」の獲得、国内の行政改革および経済活性化の推進、さらに米国からの市場経済国の認定を見据えた戦略的リスク分散といった複合的な狙いがあろう。
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