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リベンジ旅行に踏み切れない悩みの種

2022年05月19日

ニューヨークリサーチセンター 主任研究員(NY駐在) 鳥毛 拓馬

新型コロナウイルス感染拡大から2年以上が経過した今年の夏、米国では、これまで旅行に行かなかった人々の多くが、「リベンジ旅行」をしたいと考えているようだ。ある調査によると、米国人の約60%が、少なくとも1回は夏に旅行することを計画しており、また、旅行を計画している人のうち35%が、今年の夏は昨年よりも多く旅行することを望んでいるという(※1)。

もっとも、記録的インフレやガソリン価格の高騰、旅行需要の増加などが重なり、宿泊料や航空券価格などの旅行代金は高騰しており、人々が旅行を計画する際の悩みの種になっている。5月に公表された消費者物価指数(※2)によると、宿泊料は、2021年4月と比較すると約23%上昇している。航空券価格は2022年3月から4月にかけて季節調整済みで約19%上昇し、1年前と比較すると約33%も値上がりしている。新型コロナウイルス蔓延前の2019年4月の水準と比較しても約11%上昇している。

前述の調査では、旅行者のほぼ3分の2が、ガソリン価格の上昇が今後6カ月間の旅行の決定に影響するとの結果が出ており、旅行計画を立てている人の中には、予算オーバーで計画を見直さざるを得ない人もいるかもしれない。筆者は3年前にも行った近場での2泊3日の旅行を計画し、家族向けホテルの宿泊費とレンタカー代を調べたところ、3年前と比べて宿泊費は約1.6倍、3日間のレンタカー代も約1.4倍になっていた。予約が遅くなればなるほど値段が高くなり予約も埋まってしまうので、早めに決断する必要があるものの、その価格で予約していいものかどうか躊躇してしまう。

また、旅行を計画している人にとっては、新型コロナウイルスの感染状況も気になるだろう。ニューヨーク・タイムズ紙によると、米国における新型コロナウイルス1日当たり新規感染者数は約90,000人(7日平均、本稿執筆時点)で増加傾向にある。他の調査(※3)では、米国人の62%が新型コロナウイルスの感染状況が旅行計画に影響を与えることを懸念していると回答している。比較的楽観的と言われる米国人のこの回答は意外とも思えるが、一昨年、昨年と夏に向かって新型コロナウイルスの新規感染者数が増加したという経験を踏まえれば、「デルタ株やオミクロン株のような感染拡大がまたあるかもしれない」と考えるのも無理はない。

感染状況が悪化した場合に備えて、キャンセル規定の詳細を確認したり、他のプランのキャンセル規定と比べることなど、コロナ禍以前に比べて、より柔軟な旅行計画を立てなければならなくなったことを実感する。夏までの数カ月、多くの人々にとって旅行計画の悩みの種はなかなか尽きない。

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ニューヨークリサーチセンター
主任研究員(NY駐在) 鳥毛 拓馬