2021年04月19日
生産性を高めるためにデジタル化が推進されてきた。コロナ禍で人対人の接触を減らすという視点も加わりその流れは加速しつつある。オンライン会議、オンライン承認、オンライン予約、オンライン決済等々、仕事も生活もデジタル対応なしでは物事が進まなくなりつつある。デジタル機器もパソコンからスマートフォンの重要性が高まっているように感じる。
企業においては、業務の見える化とデータ化、次にデータの蓄積、そしてデータの活用による新たな価値の創出が求められている。日々の生活においてもスマートフォンを使いこなさなければ、買い物も不便になりつつある。やがては顔認証なども加わり、クレジットカードや紙幣・貨幣、パスポートすら不要になる時代がやってくるかもしれない。
昭和生まれの筆者はそんなことを考えるとワクワクするどころか、不安で頭がいっぱいになってくる。これまでは、スマートフォンを使うメリットは料金が安くなる、特典がもらえる程度に考えていた。しかし、これからはスマートフォン等のデジタルツールを使いこなさなければ、日常生活の利便性を享受できないばかりか、支障が出てくると考えるべきであろう。最大の支障の1つが人とのコミュニケーションである。非接触の場面が増える以上、コミュニケーションのインフラはデジタルツールに依存する比率が高くなる。つまり、デジタルツールを避けていては、生活の利便性どころか人とのコミュニケーションが取れなくなってしまうのだ。ここをしっかり認識することが重要である。
もちろん接触によるコミュニケーションがなくなるわけではない。デジタルツールを賢く使いこなし、多様なコミュニケーションの場面に柔軟に対応することがポイントになるだろう。接触・非接触の場面を問わず、効果的なコミュニケーションを形成するための道具としてデジタルツールを位置づける発想が不可欠である。コミュニケーションにデジタルツールを上手く活用し、ビジネスやライフスタイルに新たな付加価値を創造する行動が期待されるのだろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。

- 執筆者紹介
-
マネジメントコンサルティング部
主任コンサルタント 柳澤 大貴
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
-
メタバースは本当に幻滅期で終わったか?
リアル復権時代も大きい将来性、足元のデータや活用事例で再確認
2025年06月11日
-
議決権行使助言業者規制を明確化:英FRC
スチュワードシップ・コード改訂で助言業者向け条項を新設
2025年06月10日
-
上場後の高い成長を見据えたIPOの推進に求められるものとは
グロース市場改革の一環として、東証内のIPO連携会議で経営者向け情報発信を検討
2025年06月10日
-
第225回日本経済予測(改訂版)
人口減少下の日本、持続的成長への道筋①成長力強化、②社会保障制度改革、③財政健全化、を検証
2025年06月09日
-
「内巻」(破滅的競争)に巻き込まれる中国自動車業界
2025年06月11日