東証再編において上場企業に重要なCGコードへの姿勢
2021年02月09日
3年に1回のコーポレートガバナンス・コード(以下、CGコード)の改訂議論が金融庁で行われている。本コラム執筆時点で会議が4回開催され、事業ポートフォリオ戦略など資本コストを踏まえた経営の更なる推進、グループ・ガバナンスの強化、中長期的な持続可能性(サステナビリティ)についての考慮、東証再編後に新設されるプライム市場の上場企業のガバナンスの在り方などについて議論が進められている。現時点で成案になった事項はないが、CGコードの原則に対して「コンプライ・オア・エクスプレイン」(原則を実施するか、実施しない場合には、その理由を説明するか)が求められることに変更はない予定である。
今回のCGコードの改訂は、上述のプライム市場上場企業に関するガバナンスの在り方以外でも、東証再編に際しての企業の手続きに大きくかかわる。再編後はプライム市場、スタンダード市場、グロース市場の3つの市場が新設されるが、上場企業がプライム市場とスタンダード市場を選択する際の提出書類の一つに「改訂後コーポレートガバナンス・コードの内容を反映したコーポレート・ガバナンスに関する報告書」(以下、報告書)がある。
この点について多くの企業が気にしているのは、この報告書でCGコードの原則を全てコンプライすることを示さなければ、プライム市場やスタンダード市場の上場基準を充たすことにならないのか、という点である。だが、現時点の理解としては、CGコードの原則をエクスプレインしたとしても、プライム市場とスタンダード市場に上場することはできる。
むしろ、原則を形式的にコンプライするだけで、企業価値の向上に寄与しないような行動は避けるべきであろう。上場企業はそれぞれ成長ステージが異なり、ガバナンスの発展段階も企業ごとに異なって当然である。上場企業は自身の立ち位置を見定め、企業価値向上に向けたガバナンス体制を構築していく必要がある。
改訂後のCGコードは今春以降に確定される予定である。2018年の改訂時のスケジュールを振り返ると、3月下旬にパブリック・コメント(意見公募)が行われ、6月初旬に成案が公表された。パブリック・コメントの段階でおおよその内容は見えてくるはずである。上場企業はその内容に十分留意する必要があろう。
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- 執筆者紹介
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政策調査部
主任研究員 神尾 篤史
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