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「鬼やらひ」で迎える2020年末

2020年12月22日

金融調査部 研究員 中村 文香

2020年も残すところ僅かとなりました。年末年始には様々な行事がありますが、平安時代には、「鬼やらひ」(追儺)という儀式が毎年大晦日に行われていました。疫鬼などの悪いものを追い払う儀式で、節分の豆まきのルーツの一つであると言われています。元々は疫病が流行した際に鎮めるための儀式でした。

中心になるのは「方相氏」という役で、お面をつけ、矛と盾を持って鬼を追い立てます。その後ろから、桃や葦でできた弓や振り太鼓などを持った人々が続き、宮中や街を練り歩くことで、悪いものを追い払います。密になることを避けながら行うのであれば、新型コロナウイルス感染症流行のただ中にある本年末にうってつけの儀式かもしれません。

今年、世界的な新型コロナウイルス感染症の流行により経済は大きな打撃を受けました。各国の中央銀行は様々な手段を駆使して対応しており、新たな制度や枠組みが生まれました。例えば、欧州中央銀行や日本銀行は、実質的な補助金をつけることにより、貸出を促すような資金供給オペレーションを行いました。米国の連邦準備制度(Fed)は、中小企業等向けの貸付債権を買入れるという、過去に例のない仕組みを導入しました。これらの仕組みによって、中央銀行は、企業の資金繰りに対してより効果的な働きかけができるようになりました。また、Fedは平均物価ターゲットの導入やフォワードガイダンスの修正により、長期的に緩和的な金融環境を維持する仕組みを整えました。

以上のように、金融政策の側面からも新型コロナウイルス感染症による経済の落ち込みに対応していますが、本格的な回復のためには、感染症の収束が必須です。ワクチンが普及するまでは、引き続き個々人の感染対策が大切です。今年は方相氏を真似て、お面の代わりにマスクを、矛と盾の代わりにアルコールスプレーを手にして、お家で鬼やらひはいかがでしょうか。

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金融調査部
研究員 中村 文香