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消える「生涯未婚率」。今後は中高年層への支援も重要に

2019年10月29日

金融調査部 主任研究員 是枝 俊悟

政府は「生涯未婚率」という言葉を今後使わず、「50歳時の未婚割合」などと呼び換える模様だ(※1)。

「生涯未婚率」とは、50歳時点で一度も結婚したことがない男女の割合のことであり、元々は人口推計のために使われた指標である。50歳以上の女性が出産することは稀であるため、出生率の算出や将来の人口推計においては、「50歳時の未婚割合」を「生涯未婚率」とみなしても大きな違いはなかった。

だが、人生のパートナーを得ることは、子どもを産み育てることができる面だけでなく、お互いの生活を支え合うことができる面もあり、高齢になればなるほど後者の重要性が増していくだろう。年金生活に入ると、二人分の年金で二人で生活することはできても、一人分の年金で一人で生活することはより難しくなる。高齢世帯における相対的貧困の割合(2015年)は、夫婦のみの世帯では15.3%~15.4%だが、単身男性で29.2%、単身女性では46.2%に及ぶ(※2)。

政府や地方自治体は出会いの機会の提供などの結婚支援事業を行っているが、その目的は少子化対策として位置づけられているため、支援の対象は若者が中心となっている。もちろん少子化対策は重要だが、パートナーを求める者がその望みを叶えられるようにすることは、若者だけでなく中高年層にとっても重要である。今後、政府や自治体は、年齢にかかわらず、共に暮らすパートナーを求める者に対して支援を行うべきではないだろうか。

(※1)2019年5月23日付東京新聞夕刊1面参照。国立社会保障・人口問題研究所(社人研)は、毎年刊行している「人口統計資料集」に「生涯未婚率」を掲載してきたが、2019年版からは「生涯未婚率」の表記が消え、「50歳時の未婚割合」が掲載されている。

(※2)阿部彩(2018)「日本の相対的貧困率の動態:2012年から2015年」科学研究費助成事業(科学研究費補助金)(基盤研究(B))「「貧困学」のフロンティアを構築する研究」報告書による。

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是枝 俊悟

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金融調査部
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