重要性が浸透してきた資産形成制度(iDeCoやNISAなど)
2017年10月30日
個人型確定拠出年金【愛称「iDeCo(イデコ)」】のマスコットキャラクター、シロイルカの「イデコちゃん」。本物のシロイルカが登場し、「(女性)いいおでこね~」、「(シロイルカ)iDeCoです」、というiDeCoのCMをご覧になった方はいるだろうか。何とも愛らしくかわいい姿で、私はとても気に入っている。
さて、そんなイデコちゃんが普及を推進するiDeCoだが、今年の1月から加入対象が拡大し、基本的に20歳以上60歳未満であれば誰でも加入できる制度となった。iDeCoは、広く国民を対象とした私的年金という位置づけになったと言える。
イデコちゃん効果もあってか、iDeCoの認知度は高まってきているようだ。先日iDeCoのセミナーに登壇する機会をいただいた。大変多くの方々にご参加いただき、中には小さなお子様連れのご夫婦や、子どもに教えたいという理由で参加された方もいらして、参加者の層の幅広さにも驚いた。iDeCoの加入対象が拡大したことの影響は大きいと感じた。
また、参加者の中には、「iDeCo以外の制度をどう利用するべきかについて知りたい」という方も多かった。今は、「NISA(少額投資非課税制度)」や来年から始まる「つみたてNISA」、個人の年金保険など、個人の資産形成制度の選択肢が増えてきた。現役時代から資産形成を行うことの重要性を認識し、実際に行動を起こそうとしている方が増えてきたことも実感した。
公的年金の不足が見込まれる一方で老後生活は長期化している。公的年金に加えて「私的年金(iDeCoや企業年金)+その他の資産形成制度」という組み合わせで資産形成を行うことが重要になっている。セミナーに参加された方々のiDeCoへの意識の高さを実感したことから思うと、現役世代にもこうした意識が浸透しつつあるのではないだろうかと思う。それは良い兆しと言えよう。
一方で、老後に不安を感じていても、何から始めたらよいかわからないという方も多いと思う。そんな方々にもできることから始めていただきたいと思う。年金や資産運用に関するセミナーに参加することも一つの方法だろう。現在の資産状況を確認し、将来どれだけのお金が必要になるのかをイメージすることもその一つだ。例えば、iDeCo公式サイト(※1)も利用してみたらどうだろうか。イデコちゃんによるiDeCo解説動画や、自分がiDeCoに加入した場合の、掛金の限度額や所得税の税控除額が確認できるコンテンツも用意されている。実際に行動を起こすきっかけ作りをイデコちゃんが助けてくれるのではないだろうか。
(※1)iDeCo公式サイト
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政策調査部
研究員 佐川 あぐり
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