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ハッとする瞬間

2012年12月10日

政策調査部 主任研究員 神尾 篤史

みなさんはどんな時にハッとするだろうか。思い続けてきたことを忙しさなどを原因として忘れてしまい、そして何かをきっかけとして思い出す時ではなかろうか。

先日、とあるセミナーでマザーハウスの山口さん(代表取締役兼チーフデザイナー)のお話を聞いて、まさにハッとしたことがあった。マザーハウスとは、「途上国から世界に通用するブランドをつくる。」というコンセプトの下、現地の素材(麻)を活かし、バングラデシュやネパールの工場で先進国の消費者向けにバッグや洋服を作成し、販売している会社である。

ハッとしたきっかけは、社会貢献についてのお話の中で「自分にとって、社会貢献と仕事は切り離すことができないもの。バングラデシュやネパールで仕事をしていると、現地での一番の社会貢献は雇用を生み出すこと」「税金を納めることも社会貢献」(注)とおっしゃったことである。

就職活動をしていた際に社会貢献という言葉を意識していたことを思い出した瞬間であった。現在の自分の仕事は、どのような社会貢献ができているだろうか。私の仕事はアジアの金融資本市場に関する情報やそれらに対する意見を発信することだ。この仕事を通じて収入を得て、税金を納めている。しかし、山口さんのように事業を営んでいるわけではなく、直接的に雇用を生み出しているわけでもない。また、生活に役立つ商品を作っているわけでもないし、技術を開発してもいない。

では、どんな貢献ができているのか。端的にいえば、情報を伝達・生産しているといえる。情報とはその使い方次第で、社会が間違った方向に進むことがある。また、より良い方向に進むこともある。すなわち、人々が行動を起こすきっかけ、もしくは判断する材料になるものといえる。そのため、情報は一面的に捉えるのではなく、あらゆる情報を集めて多面的に捉えることが重要である。

私の仕事の意義はここにある。情報をただ単に流すのではなく、その背景にあるものを調べる、また情報に意見を加えることで情報に付加価値を加えるのだ。このことを通して、社会に貢献している。抽象的ではあるが、日本を含めたアジアがより良い方向に進む一助になればと考える。

(注)セミナー内での発言を筆者が書き起こしたものである。忠実に書き起こすよう努めたが、一言一句の正確性は保証できないことにご留意頂きたい。

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神尾 篤史

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政策調査部
主任研究員 神尾 篤史