求められるBigDataへの理解
2011年11月15日
最近、Big Data対応と称した製品やサービスの提供が広がっている。Big Dataとはある種の「データ分析とそれによってもたらされる一連の成果」であり、統一的な定義は無いものの以下のような特徴があげられる。
- 既存のシステムでは扱いが困難だった莫大な量のデータを扱う
- 分析が行いやすい定型データのみならず、Webページやビジネス文書などの半定型・非定型データ、さらに画像・音声・動画など、様々な種類のデータを混合的に扱う
- SNSやセンサーのデータ等の、人・モノ・システムが生成するログなどで今まで活用されていなかったデータを積極的に利用する
- 統計分析・データマイニング・人工知能・音声/画像認識・言語処理等、様々なデータ分析手法を組み合わせる
- オンデマンドやバッチ処理の分析に加え、リアルタイムの分析を組み合わせて利用する
- 技術革新にオープンソース等を組み合わせ今までに比べ安価にサービスが提供でき、大企業に限らず中小企業でも利用できる
その一方、その「Big Data」が指し示す領域はあいまいで、ユーザに分かりにくくなってきている。システム部分は多様な技術の組み合わせによって構成されるが、個々の技術要素のみでBig Data対応と称する場合がある。さらに、複数の技術要素を統合した機器も提供されている。実際にユーザが必要な技術は何なのか、既に保有するシステムとあわせて正しく捕らえる必要がある。

これに加え、Big Dataとは「単純にデータを分析すること」に留まらない面が混乱に拍車をかけている。「宝の山」とも呼ばれる莫大なデータを活用するためには、単に分析するだけではなくそれをアクションに繋げる必要がある。そのためには、システムの導入や分析手法の検討に加え、結果の活用手法をあらかじめ意識しておく必要がある。
現在、Big Dataの分析結果は何らかの処理自動化に適用されるだけでなく、「人間の判断材料」として利用されることも多い。このため、実際の意思決定プロセスにどう繋げていくのかが重要である。そして、この達成のためには社内外のノウハウを活用する必要がある。データ活用ノウハウを十分に持つベンダーの利用やコンサル企業との協業も検討すべきだろう。
Big Dataには技術者にも様々なチャレンジが存在し期待の大きい分野である。また、分析手法も多彩で、研究の余地は大きい。さらにビジネス領域も小さくないため、ベンダーが多数参入するのも頷ける。それだけに、分析することが目標になりかねない矮小化を警戒し、どうやってメリットを得るのか意識することがユーザ企業にとっては重要ではなかろうか。
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- 執筆者紹介
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コーポレート・アドバイザリー部
主席コンサルタント 中島 尚紀
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