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一人ひとりができること

2011年04月25日

ニューヨークリサーチセンター 主任研究員(NY駐在) 鳥毛 拓馬

東日本大地震により多くの方の尊い命が失われたことに、深い哀悼の意を捧げますとともに、被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。

2011年3月11日に発生した東日本大地震により、東北地方の太平洋側の沿岸部は津波による壊滅的な被害を受け、亡くなられた方々は1万人を超えた。被災地域が復興するために、一人ひとりが被災者への最大限の協力を行うことによってこの国難ともいうべき事態を乗り越えていかなければならない。

我々一人ひとりができる被災者への協力の一つとして義援金などの寄附をすることがあげられる。

この寄附に関して、税法上の要件を充たす寄附(例えば日本赤十字社などへの寄附)であれば、個人が確定申告をすることにより所得税、住民税から一定の額が控除されることを御存じであろうか。

所得税については、「支出した寄附金額の合計額」あるいは「総所得金額等(※1)の40%(※2)相当額」のいずれか低い金額から2,000円を控除した金額が、所得控除としての寄附金控除の控除額となる。

寄附金控除を受けるためには、確定申告の際に寄附した団体などから交付を受けた領収書などの書類を添付するなどの手続きが必要である。

個人住民税については、寄附金額から5,000円を控除した額の10%が住民税額から控除される。

さらに、被災地の県や市町村への寄附金や義援金として扱われる場合(いわゆるふるさと納税。被災地の県や市町村へ直接寄附する場合でなくても、日本赤十字社や中央共同募金会などに義援金として寄附する場合もふるさと納税として取り扱われる)には、寄附金額から5,000円を控除した額に一定の割合を乗じた額が住民税額から控除される(ただし、個人住民税所得割の1割が上限となる)。

結果として、税法上の要件を充たす一定の寄附であれば、寄附金額のうち5,000円を超える部分について、所得税と合わせて概ね全額が控除されることになるのである(※3)

寄附は個人の自由な意思により行うものであるため、控除制度があるから寄附をしようということを言いたいわけではないが、筆者の周りに聞いたところ、税務上の寄附金控除制度について余り知られていなかったので、今回のコラムとした。

(※1)総所得金額等とは、純損失、雑損失、その他各種損失の繰越控除後の総所得金額、特別控除前の分離課税の長(短)期譲渡所得の金額、株式等に係る譲渡所得等の金額、上場株式等に係る配当所得の金額、先物取引に係る雑所得等の金額、山林所得金額及び退職所得金額の合計額である。
(※2)震災関連寄附金に対する寄附金控除についての控除対象額を、総所得金額等の40%から80%に拡大することなどを内容とする震災税制特例措置案第1弾が政府税制調査会(2011年4月13日)より公表され、政府・与党は4月中にこの措置を実施する方針である。
(※3)個別具体的な金額については、税理士・税務署にお問い合わせください。

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ニューヨークリサーチセンター
主任研究員(NY駐在) 鳥毛 拓馬