課題先進国日本

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2010年10月01日

  • 木村 浩一
経済のデフレ化や政府債務の拡大などにより、アメリカではアメリカ経済の「日本化」が懸念されている。また、中国は、プラザ合意以降の円高を端緒としたバブルとその崩壊、失われた20年などの日本の経験を教訓に、元の国際化、切り上げに慎重な姿勢を崩していないと言われている。

1980年代半ば以降の30数年間の日本経済を振り返れば、政策失敗のオンパレードといえる。バブルとその崩壊、金融危機、経済不振、デフレ、低金利、低金利による年金資産や個人貯蓄の収益率の低下、等々。また、世界最悪の政府財政、高齢化、少子化により、年金、医療などの社会保障制度の持続可能性にも大きな疑問符がついている。日本は、「課題先進国」と皮肉られる始末だ。

海外諸国、特に日本の後を追って社会の高齢化が急ピッチで進む韓国、シンガポール、香港、中国などの東アジア諸国は、日本がいかに解の難しい課題に対処していくか、固唾を呑んで見守っている。

海外が日本の様々な失敗の中で学ばなければならない点の1つに、高い地価の問題があるだろう。日本人の多くは、欧米諸国と比べ高いマイホーム購入のため、消費を抑制し本来ならばできるはずだった豊かな生活を長い期間犠牲にしてきたといえる。例えば、現在、中国では、バブルの頃の日本と同様、土地神話が誕生しているが、国民の生活を豊かにし長期の経済成長を図るためには、地価を抑制し、経済発展を現在の投資主導から個人消費主導に切り替えていく必要があるだろう。

元気のない日本だが、日本の英知が世界の財産となるように、「課題解決国」日本に変身しないといけない。

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