キラキラの国インドネシア

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2010年06月10日

  • 佐藤 清一郎
インドネシアのスカルノハッタ国際空港。南国の家屋を思わせるような特徴あるつくりで、なかなか雰囲気がある。飛行機から降り、まず、蒸し暑さで、インドネシアだと認識。進んで、入国審査に向かうと、長い列。ここで、また、インドネシアだと再認識。入国審査に時間がかかり、長い列ができてしまうこの風景は、10年以上前と、ほとんど変わっていない。失われた10~15年は、こんなところにもあったのか。呆れるというより、何処か、懐かしさを感じてしまう。これが、インドネシアのリズムなのだろう。

パナス スカリ(インドネシア語で、パナスは「暑い」、スカリは、「非常に」という意味で、結果、「非常に暑い」となる):ジャカルタは、ほぼ赤道直下なので、非常に暑い。年を通じて、摂氏30~35度くらいある。日本から行くと、温度差が激しいので、冬は特に、かなりダメージがある。現地では、体が慣れて仕事に集中できるまで、それなりの時間が必要だ。

ジャラン マチェット(インドネシア語で、ジャランは「道」、マチェットは「混んでいる」という意味で、結果、「交通渋滞」となる):ジャカルタ市内は公共交通機関の整備が不十分なことや、暑いため道を歩くのはきつい。結果、たくさんの人が車を使う。また、役所、会社では、ある一定以上の役職の人には、社用車がつく。こんな状態なので、通勤時間のジャカルタ市内は、地獄である。普段であれば、10分程度で行く場所も、1時間くらいかかってしまい、アポに遅れてしまうことも、しばしばある。要注意である。現地の人は、ジャカルタは物流コストが高いと言っているが、いつまでたっても動かない車の中にいると、ほんとに、このことを実感してしまう。

ジャム カレット(インドネシア語で、ジャムは「時間」、カレットは、「ゴム」という意味で、結果、「ゴムのような時間」となる):時間が、ゴムのように長く伸びるという意味で、のんびりしているということだろう。何か頼んだり、連絡したりした時、日本駐在の経験があるなどで、日本のやり方を理解しているインドネシア人は、比較的すぐ返事をくれるが、それ以外は、返事が遅いか、もしくは、返事がないことが多い。これは、日本人にとっては、結構な戸惑いである。仕事を頼んで、日本人の感覚や発想で、仕事の段取りや完成目処を考えてしまうと、大変なことになってしまう。

キラキラ(インドネシア語で、「だいたい」という意味):これも、インドネシアの特長の一つ。あまり細かいことは、こだわらないということ。考えようによっては良いことだが、比較的きちんとした仕事を志向する日本人としては、戸惑うことも多い。ちなみに、キラキラは、「だいたい」だが、ラキラキは、「男」という意味なので、ご注意の程。

当然といえば当然だが、インドネシアは、日本とは、習慣、文化、ビジネスのやり方など、相当異なる。時間厳守ではない、土壇場のキャンセルがよくある、返答が遅いなどを含め、悩ましいことが多い。キラキラの国インドネシアと付き合うには、それなりの覚悟が必要だし、また、忍耐も大事である。

こんな感じだが、インドネシアの人口は、約2億3千万人と、アジアの中では結構な大国である。最近は、経済状況の回復方向が続いており、国内市場規模の大きさは魅力的である。国の規模、地理的立地から考えても、今後、日本が、是非付き合いを深めていきたい国の一つであろう。赤道を越えて南半球へ、いかがであろうか。

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