クラウド連携で広がるモバイルソリューションの可能性

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2010年01月25日

  • 喜多見 裕史
2009年7月、UQコミュニケーションズが高速モバイルデータ通信のモバイルWiMAXの商用サービスを開始した。2010年12月にはNTTドコモが他の携帯電話キャリアに先行してLTEのサービス開始を予定している。外出先や移動中において高速データ通信が可能なモバイルブロードバンドの高速化の進展に加えて、MVNO(仮想移動体通信事業者)等の参入によるサービスの多様化や価格競争も予想される。モバイルデータ通信は本格的なブロードバンド時代へと突入すると考えられる。

モバイルブロードバンド時代の到来を前に、モバイル端末の多様化が進んでいる。携帯電話をはじめ、多機能携帯電話のスマートフォンや小型低価格パソコンのネットブック、携帯型ゲーム機など様々なモバイル端末が普及している。モバイルブロードバンド時代においては、これらモバイル端末がインターネットにつながることで、“いつでも、どこでも、どんな端末からでも”、高速なネットサービスを利用することができるようになる。

このようなモバイル環境の進化は、モバイルとクラウドコンピューティングの連携を強めると考えられる。モバイル端末は高機能化しているとはいえ、CPU性能や記憶容量に制約がある。高速なモバイルブロードバンドを通じて、クラウドコンピューティングのインターネットのあちら側にあるハードウエアやソフトウエアのITリソースを活用することで、動画処理をはじめ、GPSの位置情報を利用した情報配信やカメラ撮影画像の発信・共有など、様々なサービスを実現することができる。

携帯性に優れ、“いつでも、どこでも”インターネットにアクセスできるモバイル端末は、ネットワークサービスであるクラウドコンピューティングとの親和性が高い。モバイルとクラウドコンピューティングの連携により、個人向けだけでなく、これまで電子メールやグループウエア等の利用に限定されていた法人向けにおいても、モバイル端末を利用したソリューションの登場が期待される。

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