"全入時代"は持ち越したが・・・
2007年11月08日
| 文部科学省の「平成19年度学校基本調査速報」によると、大学・短大の志願者数は780,353人で入学者数は698,215人となり、志願者数が入学者数と等しくなる、いわゆる“全入時代”の到来は持ち越される形となった。志願者に対する入学者の割合を示す収容力(=入学者/志願者)は89.5%で過去最高となっているものの、全入状態を示す100%とは依然ギャップがある(図表1)。この点について、文部科学省では景気回復効果を主因としているが、筆者が過去にも指摘したように景気指標、とりわけ所得関連指標と入学者数との相関性が改めて確認されよう(図表2)。 一方、日本私立学校振興・共済事業団による「平成19年度私立大学・短期大学等入学志願動向」によれば、定員割れ校数は大学が559校中221校で39.5%(図表3)、短大が365校中225校で61.6%(図表4)、両者で924校中446校で48.3%となり過去最悪となった。 以上のように、日本経済が比較的順調に推移してきたことにより、表面的には“全入時代”の到来はひとまず回避した。だが、定員割れ校数・比率をみれば悪化傾向に変化の兆しはなく、むしろ大学・短大の選別化が一段と進行しているということができよう。
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