9月の中間配当で注目される銘柄群

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2006年08月22日

  • 壁谷 洋和

足元の株式相場は日経平均株価がおよそ1ヶ月ぶりに終値で15,600円台を回復。堅調な地合いを維持しているが、4-6 月期決算の一巡等で目先の材料は乏しい。そこで注目したいのが、9月の中間配当である。中間配当を実施する企業の割合は近年増加する傾向にある。そこに含 まれるのは、中間期での復配や新たに中間配当を開始するケースなどである。先の新会社法の施行によって、配当支払いの自由度は高まっており、今後も中間期 の配当を実施する企業は増加することが見込まれる。

時価総額500億円以上の3月期決算企業を対象に、2004年度中間期無配で2005年度中間期に配当を実施した企業を集計すると、約40社が新たに中間 配当を実施したことが分かった(時価総額500億円未満の企業も含めると85社)。同様に、2005年度中間期無配で2006年度中間期に配当を実施する ことが見込まれる企業を集計すると、41社がリストアップされる(時価総額500億円未満の企業も含めると94社)。中間配当の利回りとしては、決して高 い銘柄ばかりではないが、これまで意識されてこなかった中間配当の存在が、9月末を前に株価の材料となることも考えられる。

純粋に中間配当利回りの高さに着目した場合では、下表に掲げる銘柄群が魅力的に映るのではなかろうか。半期の配当だけで利回りが1%を超える銘柄も少なく なく、利回り重視の投資家にとっては、十分に物色の対象となるであろう。実際、各種の好配当株投信の組入れ銘柄を調べると、上位のリストは必ずしもこれら と一致しない。それゆえに、短期的には投信経由の資金流入によって、堅調な株価推移も期待できるかも知れない。株価が上昇すれば、利回りは低下することに なるが、重要なのはいち早くアクションを起こすことであろう。

当面の株式相場は方向感に欠ける展開も予想される。株価水準の切り下げによって、利回りの面で魅力的な銘柄も散見される。その結果、中間期末の接近で再び 配当が投資家の関心を呼ぶ可能性があると考えられる。短期の物色のテーマとして、改めて中間配当に注目するのも一考の価値ありか。
 

2006年度予想中間配当利回りランキ ング

 

(出所)東洋経済データより大和総研作成
(注)時価総額500億円以上の3月期決算企業を対象。配当金額の単位は円。

 

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