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浮かび上がるヘッジファンドの苦悩と混乱

2006年07月11日

古島 次郎

ロンドンに訪問しヘッジファンドを取材する機会を得た。ロンドンは、ニューヨークに次いでヘッジファンドが集中していると言われている。

我々が訪れた時期は、足下のパフォーマンスの悪化とファンド間の分散効果の低下に苦悩していた。多くのファンドが、5月の世界同時株安連鎖を契機にパフォーマンスが悪化、6月には改善傾向が見られたが5月分をカバーすることは出来ていなかったようだ。各ファンド間の分散効果の低下も深刻。分散効果を期待した機関投資家からの資金が最近のヘッジファンドへの資金流入の大きな柱となっているだけに、機関投資家が期待する分散効果の低下はヘッジファンドの魅力の低下を意味する。

足下の市場の乱調に対しての認識は、単なるノイズと見る向きと金融市場のパラダイムシフトの初動との見方に分かれており未だ混乱しているとの印象が強い。ただし、足下の資金流入は投資家の機関化を背景に比較的高水準の状況が続いている模様。

上述以外に下記の二点が印象的であった。一つは、ヘッジファンドマネージャーの変質である。ある一定の規模に達した多くのヘッジファンドは、資産運用会社としてファンドの種類を増やすなど規模の拡大戦略をとりつつある。米国でも同様であるが産業としてのヘッジファンド業界が成熟化段階に入りつつあるようだ。もう一点は、ストラテジーの豊富さである。苦悩と混乱の渦中であるが、様々なアイディアが聞かれ、元来のバイタリティは残されているという印象を強く受けた。何れの形になるにしても国際金融市場におけるプレゼンスは大きくなる一方のようである。国際資金動向を見る上でヘッジファンドの動向から目を離すわけにはいかないようだ。

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