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公務員の手当てはけしからんのか

2006年06月01日

原田 泰

公務員の手当てをけしからんという人は多い。もちろん、至極まっとうな手当てもある。爆発物取扱等作業手当、潜水手当、動物死体処理手当(なんの仕事に対する手当か、字を見ただけでお分かりだろうから解説は不要だろう)等に反対する人は少ないだろう。しかし、雨が降ったら手当て、風が吹いたら手当て、窓口に出たら手当て、外に出たら手当てなどけしからんという人が大部分である。

だが、利益を目標とする会社とは異なって、公務の目標管理は難しく、人事制度や給与は硬直化しており、組織を効率的に働かすことは極めて難しい。手当ては、そこでやむなく案出された制度という面がある。

大したことではなくても、他の職員よりも少しは大変なことをするのだから、手当てを出すのが悪いこととは思わない。これがヤミ給与であるというなら、手当てを削るのではなく、本給を削った方が良い。

その昔、JRが国鉄だったとき、不明瞭な手当てが問題となり、廃止されたことがある。しかし、手当ては、戦闘的な労働組合と硬直した人事・給与制度の下で組織を動かすために、やむなく導入されたという面があった。

手当てが廃止されるとともに、労働組合はますます戦闘的になり、国鉄はますます非効率になり、ついに民営化された。春秋の筆法を以ってすれば、手当て廃止は国鉄民営化をもたらしたのだから、良いことだったと評価できるかもしれない。しかし、不明瞭な手当てを受けていた公務員の仕事のうち、民営化できるものは極めて少ないだろう。手当ての廃止は、管理者の力を弱め、労働組合の力を強めて、公務の効率を引き下げるだけになる可能性が高いと私は思う。

すべての給与と手当てを公開し、その合計を管理することを目標とすべきだ。公務員人件費の減額が必要なら、本給でこそ減額すべきではないか。公務員の手当ての廃止は、民営化できない国鉄を作ることになりかねない。

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