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進むXBRL化—望まれる投資指標のコンバージェンス—

2006年05月08日

吉井 一洋

金融庁と東京証券取引所のXBRLへの取組みが進んでいる。金融庁は3月28日にEDINETのXBRL化、東京証券取引所は4月25日に、決算短信等の開示のXBRL化に本格的に取り組む旨を公表した。いずれも、2008年度からの導入を目指すこととしている。

XBRL(eXtensible Business ReportingLanguage)とは、財務情報の作成・流通・利用を容易にするために標準化されたコンピュータ言語のことをいう。財務諸表の数値にタグ(ID・荷札のようなもの)を付け、そのタグを標準化することで、財務諸表の作成者・利用者双方の利便性を高めるというものである。財務諸表の作成者側は、財務データをXBRL化しておけば、データを流し込むだけで有価証券報告書、決算短信、電子申告書が作成できる。財務諸表の利用者は、データを容易にダウンロードし加工できる。科目の違いや基準の変更をタグで調整すれば、財務データの企業間比較や時系列比較も、容易に行えるようになる。監督当局によるチェックなども容易になる。

しかし、XBRL化の効果はそれだけに留まらない。将来的には「投資指標のコンバージェンス」も期待できる。例えば、ROE一つとっても、わが国と海外とでは計算方法が異なる。同じ投資指標でも、前提となる会計基準や定義が異なればその内容は違うものになる。投資家が自分でこのような違いを調整して投資指標を算出し、国籍の異なる企業を比較することは困難である。しかし、XBRLを活用すれば、異なる国の企業を、会計基準や定義の相違を調整した同一の投資指標で比較することも可能となる。現在、会計基準のコンバージェンスへの取り組みが進みつつあるが、仮にそれが実現しなくても、XBRLを発展させ「投資指標のコンバージェンス」を図ることで、投資家は同等の効果を享受できる。そのような志の高いXBRL化への取り組みが望まれるところである。

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