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地方分権に向けた改革は、今後も注目

2006年03月23日

星野 菜穂子

三位一体改革は1期目改革(平成16~18年度)を終えたものの、2期目改革(平成19年度以降)に向けた動きが活発化している。総務大臣の私的懇談会である「地方分権21世紀ビジョン懇談会」、地方六団体側では「新地方分権構想検討委員会」が設置され、それぞれに今年6月の骨太の方針に向けたとりまとめを目指している。さらに内閣府においても「歳出歳入一体改革タスクフォース」が発足しており、地方分権への検討はなお続いている。

三位一体改革の目的が、地方の自己決定権を高め、歳入の自治を強化するというものであったとすれば、1期目改革が十分なものであったとする見方は少ないであろう。各種アンケート調査でも、単なる数字合わせに過ぎない、地方の自由度は高まっていないといった声が聞かれている。1期目改革の総括は今後なされていくであろうが、地方分権へ向けてはさらなる取り組みが必要ということになろう。その際、財政上の分権を進める上では、国と地方の税源配分の見直しによる地方税の拡充が中心であり、その上で地方交付税のあり方の検討ということになると思われるが、さまざまな審議をみる限り、立場によっては、交付税の削減や地方分権下での地方の責任が主要な検討課題となっているものもある。またこのような立場の論者を中心に、地方債の在り方を梃子に改革を描く、すなわち、市場による財政規律という主張が高まっているようにみえるのも1期目改革にはなかった特徴といえよう。この背景として、この4月から地方債制度が事前協議制へ移行すること、また近年、地方債において市場公募化が推進されているということが指摘できる。その影響も大いに注目されるところである。

この他、2月末には地方制度調査会により道州制の答申も出されている。いずれの改革においても財政再建を目的として進めることは分かり易いものではあるが、2期目こそ真の地方分権社会のあり方という視点からの改革を考えてみることも重要だ。今後も、地方分権に向けたさまざまな改革は注目されていこう。

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