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寡占化した液晶テレビパネル市場

2006年03月14日

杉下 亮太

液晶テレビが本格普及期に入った。日本では05年に液晶テレビの出荷台数がCRTテレビを追い抜いた。日本だけでなく、欧州や米国でも液晶テレビが売れ始めている。04年に欧州の液晶テレビの出荷台数は日本を超え、05年は米国の液晶テレビ市場規模が日本を上回るようになった。中国でも当初の想定以上に液晶テレビが受け入れられているようだ。液晶テレビ需要は05年に2,000万台強だったと推定されるが、06年は倍増の4,000万台に達するというのが今やコンセンサスである。その後も市場規模は拡大し、08年には8,000万台に到達すると予想される。

液晶テレビ需要の急増に対応すべく、大手液晶メーカーは設備投資を一段と積極化させている。韓国のLGフィリップスLCDは第8世代(8G)工場の建設を決定した。台湾のAUオプトロニクスは2棟目の7.5G工場を建設する意向の模様である。同じく台湾のチーメイも新工場建設を開始する見込みとなっており、7.5Gまたは8G工場と見られている。シャープとサムスンも8G工場を建設中である。

他方、これら大手5社以外の液晶メーカーは新規投資案件が出てきていない。テレビパネル開発の遅れと、大手メーカーに比較して劣る収益性・財務内容が要因だろう。このため、大手5社とそれ以外の差は今後一段と広がる可能性が高い。テレビパネル出荷についてみると、大手5社のシェアは05年に90%を超えた。08年時点でも5社のテレビパネル出荷数量シェアは80%以上を維持するものと予想される。PC用パネルと異なり、テレビパネルは寡占化した市場といえるだろう。

寡占化状態が続くとすると、従来考えていたよりもテレビパネルの価格は緩やかにとどまる可能性が出てくる。実際、05年11月から現在までにテレビパネル価格は7-8%しか低下していない。これに対してPC用パネルは20%下落している。液晶テレビ普及のためにテレビパネルは継続的な価格下落が避けられないが、PC用パネルと異なって需給悪化による大幅な価格下落が生じないとすると、上記5社はテレビパネル事業で安定的に収益を出せる可能性があろう。

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