歩きにくい街路
2005年12月30日
久しぶりにシンガポールに行く機会があった。いつでも感心するのは、空港から都心に向かう道路の美しさだ。そしてもちろん、街も美しい。磨き上げられた余所行きの街だ。都心だけが美しいのではなく、シンガポール全体が美しい。
購買力平価で比べれば、シンガポールと日本の1人当たりGDPはほぼ同じである。これだけの都市国家を独立以来わずか40年で作り上げたシンガポールの力にはいつも感嘆する。
5度目の旅行で、やっとホームレスを見てほっとした。ホームレスを見てほっとする都市は世界の中でどこにもない。美しい街であるがゆえに一言、言いたい気分になる。
シンガポールで困るのは街路の歩きにくさだ。広い道路とロータリーの組み合わさった街は歩きにくい。信号が少ないので、規則に厳しいシンガポールの人々も信号のない場所を横断する。すばやく歩かないと大変なことになる。
同じく広い街路と巨大なビルが立ち並んでいても、ニューヨークは歩きやすい。巨大なビルは街路に接していて、ロータリーがなく、信号が多いからだ。シンガポールの、街路に接しないビルは、車寄せがしっかり付いているから、車で行動する人には便利である。しかし、すべての人々が車で行動したら、いくら広い道路でも足りなくなる。シンガポールの解決策は、車に課税して車の値段を上げ、車の台数を制限することだ。
日本の美しくない街でも、歩きにくい街がある。駅前のロータリーを優先して、人が駅からすぐに街に出ることのできない駅が流行らしい。しかし、いくら駅前のロータリーを広くしても、電車が運ぶ人のすべてを車で運ぶことはできない。歩きにくい街を作るだけではないだろうか。
美しくもなく、歩きやすくもない日本の街を、超高齢社会となる日本で、どのように使うのだろうか。そういえば、ニューヨークの下町には結構、高齢者が住んでいる。エレベーターと、歩きやすくすぐ近くで買い物のできる通りが組み合わさった街は、高齢者に住みやすいものなのだろう。
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