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競争激化予想される中小型液晶市場

2005年11月10日

杉下 亮太

中小型TFT液晶市場は従来、日本メーカーが強い分野であった。これは、(1)中小型液晶市場はカスタム性が強いため多くのエンジニアを必要とする、(2)低消費電力など大型液晶とは異なる技術が求められる、(3)PC用などの大型液晶では韓国・台湾勢に対抗できなくなった日本メーカーが中小型液晶に活路を求めた、ことなどが背景となっている。そして、アプリケーション数の増加によって中小型パネル需要は年々拡大しており、日本メーカーはこの分野で比較的安定した収益を享受してきた。たとえば、携帯電話ではSTN液晶からTFT液晶への移行が日本以外の地域でも始まっている。車載用モニター(カーナビや後部座席用モニターなど)の需要も拡大が続いている。携帯用ゲーム機(PSPなど)でも高精細の液晶が使用されるようになっている。

しかし、このところ韓国・台湾メーカーも中小型液晶市場に積極的となっており、競争は激化しつつある。6G(第6世代)・7Gといった大型工場が立ち上がるにつれて、3Gなどの旧世代工場は大型パネル生産工場としてはコスト競争力が失われる運命にあることが理由となっている。日本メーカーと同じく、韓国・台湾メーカーも3Gクラスの工場を中小型パネル用に転用することで活用を図り始めている。ちょうど3Gクラスの工場は韓国・台湾でも操業後5年以上が経過する時期となっており、減価償却終了というコスト面での有利さもある。

もっとも中小型液晶市場は大型パネル市場とはかなり性格が異なり、単にコストのみが焦点となるわけではない。たとえば、携帯電話メーカーは長期の信頼関係を重視するといわれている。また、カスタム性が高いため開発段階の時点で液晶パネル供給メーカーが決定してしまうことが多い。このため、韓国・台湾勢が短期間に中小型市場のすべてを席捲するようになることはないだろう。

とはいうものの、徐々に韓国・台湾勢も実力をつけてきている。ポータブルDVDプレイヤーや車載用モニター(アフターマーケット向け)、デジタルカメラなどでは一部の韓国・台湾メーカーの参入で価格下落が生じている。また、高付加価値パネルとして2インチクラス(主に携帯電話・デジタルカメラで使用されるサイズ)のVGAパネルや、広視野角の中小型パネル、LTPSパネルなども韓国・台湾メーカーで開発され始めている。日本メーカーは一段と付加価値の高い技術・製品開発に注力し、差別化を図る必要があろう。

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