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中間配当拡大の動きと株主満足度向上への取り組み

2005年10月17日

村井 良慶

最近、新たに中間配当を開始する企業や、中間配当額を増額する企業が増えている。2005年度予想を用いて東証1部上場の銘柄(内国株)を集計したところ、中間配当実施予定企業数は1,000社を超え、予想配当金総額も2兆円に迫る勢いであった。これは企業数で60%以上に相当し、年間配当金総額の40%以上を占めている。あくまでも05年度は現時点での予想であり、上期も堅調な業績との見通しから、中間配当の上乗せも期待されるだけに、さらに伸びることも予想される。

この背景として、投資家が配当をはじめとする株主還元策を重視し始めたことが挙げられる。最近人気の「毎月分配型」のような分配金の頻度を高めた株式投資信託も、高配当銘柄を中心に運用している。中間配当の拡大の流れには、配当回数を年1回から年2回へと増やし、株主へ経営成績に応じた利益配分をいち早く届けることで、株主の満足度をさらに高める狙いがあるようだ。

さらに、配当支払い回数の増加の新たな動きとして、四半期配当も注目される。06年春に施行される見通しの会社法で、配当回数の制限がなくなり、四半期配当が可能になる予定だ。これを受けて、法整備を待って、06年度より四半期配当を行うことを既に発表した東証1部上場会社もある。

また、株主の満足度を高めるという観点では、配当政策に配当性向、株主資本配当率(DOE)などの具体的な基準を示す企業も一部に見受けられる。会社側としては、将来の配当に対して確実性を持たせることで投資家からの評価を得たい考えのようである。

しかし配当水準を見ると、東証1部全体(内国株)の今期予想の配当性向は21.3%、DOEは2.0%(ともに連結ベース)であり、米国S&P500の04年度実績の配当性向:33.2%、DOE:3.7%に比べまだまだ低いのが現状である。今後は中間配当拡大だけではなく、配当水準自体のさらなる引き上げや、具体的な配当政策の明示など、株主のニーズを満たす配当政策が求められるだろう。
 

 

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