中国IT共生戦略
2005年09月30日
| 1980年~2004年の中国経済は、年平均で9.5%の高成長(同時期に名目GDPは約30倍増)を遂げている。高成長の原動力は、積極的な直接投資導入による輸出能力の増強と旺盛(おうせい)な国内投資である。2002年11月に開催された中国共産党16回党大会では、2020年のGDPを2000年の4倍にする長期戦略が発表された。起爆剤となるのは、2008年の北京五輪と2010年の上海万博であり、東京五輪と大阪万博を経た日本の高度成長期と重ね合わせる向きが多い。 今後も持続した成長を期待させる中国の巨大な消費市場に注目し、多くの日本企業が進出し、さまざまな事業戦略が展開されている。ITはビジネスの投影であり、事業戦略を支援する役割があるものととらえれば、中国でのIT戦略が持つ意義は大きい。 中国に限らず、外国市場でビジネスを成功させるためには「現地化」(ローカリゼーション)を進めることが不可欠である。国が違えば言葉や文化が違うように、自国でのビジネス手法や事業戦略が他国にそのまま通用するケースはほとんどないであろう。すなわち、中国でのIT戦略においても「ローカリゼーション」を強く意識しなければいけないのである。 しかしながら、中国拠点にITの専門家がいない、予算がない、信頼できるIT企業が見つからないなどの理由から、日本企業の中国拠点でのIT整備が進んでいるとは言い難いのが実情である。このような問題点を解決するために、大和総研では中国パートナーとの緊密な関係を生かし、日本と同様のITサービスを中国現地価格で提供する「中国ローカリゼーション・プログラム」を開始した。同プログラムにより、中国へ進出する日本企業は「ローカリゼーション」を十分意識したIT戦略を推し進めることができる。 さらに長期的には、中国と日本のIT共生戦略が目標となる。 中国に進出する日本企業にとっては、中国におけるさまざまなリスクを十分認識した上で、有望な成長機会を逃さない慎重なかじ取りが求められる。ここで重要な点は、日本と中国が連携しつつ役割を分担し、Win-WinとなるIT共生関係を構築することである。この共生関係は、一度構築したら終わりではなく、常にあるべき姿を求めて変化を続けるプロセスそのものでもある。
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