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日韓の温度差

2005年03月25日

五百旗頭 治郎

竹島なのか、独島なのか。実に困った問題である。

日韓両国が領有権を主張する竹島(韓国名:独島)に関して、島根県議会が2月22日を「竹島の日」とする条例を可決・制定させたことにより、韓国では反日報道の嵐が吹き荒れている。今朝(24日)のTVのニュース番組では、前日(23日)に盧武鉉大統領が厳しい対日批判コメントを大統領府ウエブ・サイトに発表したという内容がトップニュースであった。韓国のマスコミは、連日、この竹島問題をトップニュースかそれに近い扱いで大きく取り上げている。一方、日本のNHKを見ると、トップニュースは「ホリエモンvsフジ」、次は「福岡県沖地震」か「海賊」で、竹島問題はなかなか出てこない。

日本と韓国は、かつての「近くて遠い国」から「近くて近い国」になりつつある。サッカーW杯共同開催や文化交流の活発化などを背景に、最近の日韓関係は歴史上でも最も良好な状態と言われていた。実際、日韓の人的交流は、ヨン様効果もあって急増中である。筆者も、次々とやってくる親戚や知り合いのおばちゃんへの焼き肉接待で大忙しだ。04年一年間に日本から韓国を訪れた来訪者数は前年比+35.6%増の244万人に達し、今年は過去最高(00年:247万人)を更新すると見られている。逆に、韓国から日本を訪れた人の数も04年は過去最高を更新した模様だ(1~11月で03年通年を上回る146万人)。

それだけに今回の竹島問題は残念である。なぜなら、島根県にも、韓国政府にも、双方の立場を理解しようという姿勢が感じられない。双方がそれぞれの文化・歴史を尊重し、双方が置かれている立場の違いを理解する努力が必要であろう。両国の間、両国民の間には、厳然として皮膚感覚の違いや温度差が存在する。国が違うのだから違いがあるのが自然なのであって、こうした違いは永遠に無くならないはずだ。移民の国である米国は、人の価値観に違いがあることを前提とした契約社会である。一方、日本と韓国は単一民族国家であるため、「阿吽の呼吸」で他人が自分の考えを分かってくれると思っている人が多い。日本と韓国が主要国きっての外交下手である理由も、こうしたところにあるのであろう。

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